Stravinsky「ミューズをつかさどるアポロ」
(エフゲニー・ムラヴィンスキー)/
「オルフェウス」/オード(頌歌)/幻想曲「花火」/ヴォルガの舟歌
(イーゴリ・ストラヴィンスキー)


PRD250330D Stravinsky

バレエ音楽「ミューズをつかさどるアポロ」

エフゲニー・ムラヴィンスキー/レニングラード・フィル/イリヤ・シュピルベルク(v)(1965年)

バレエ音楽「オルフェウス」
オード(頌歌)
幻想曲「花火」

イーゴリ・ストラヴィンスキー/モスクワ・フィル

ヴォルガの舟歌

イーゴリ・ストラヴィンスキー/ソヴィエット国立交響楽団(以上1962年ライヴ)

Praga PRD250330D

 作曲者80歳の里帰り公演の記録。

  「アポロ」(1928年初演)が始まったら、その洗練された集中サウンドに驚いて、再度クレジットを確認したらこれは別途御大ムラヴィンスキーのセッション録音でした。クールであり神秘、優雅に神妙、ヴァイオリン・ソロも絶妙の風情を醸し出して、アルカイックな風情の弦楽作品は最高のアンサンブル。最終盤の決然とした力強も決まって、これはこの作品過去聴いた中で最高の演奏でしょう。音質はちょっと曇りがちだけど、まずまずの鮮度。(5:00-2:42-4:25-1:31-1:18-1:36-2:32-3:54-2:46-3: 57)

 Stravinsky作品中、あまり人気ないように感じる「オルフェウス」(1948年初演)は二管編成+ティンパニ、そしてハープが印象的な役割を果たしております。危惧された音質解像度は肌理は粗いけれどまずまず、これも神秘的に静謐デリケートな音楽だけど、ムラヴィンスキーほどのわかりやすい説得力はありません。音楽は掴み所がない。ラスト辺り朗々と金管が叫んで怪しくも切迫した盛り上がり、冒頭のハープが回帰しました。専門の指揮者じゃないし、オーケストラも作品に慣れていなかったことでしょう。(2:33-3:07-2:54-2:10-3:17-3:40-2:17-5:18-1:14-2:46-3:12)

 「頌歌」(しょうか、読めまへんで)は静謐なEulogy(3:40)活気に充ちたEclogue(2:58)そしてアルカイックなEpitaph(4:23)から成ってヴィヴラートたっぷりなトランペットがとってもイヤらしい。この作品は初耳でしたっけ?「花火」は1909年の初期作品、儚く燃え尽きる花火が気紛れに印象的に描写される華やかな名曲。(3:50)そしてラストは露西亜民謡「ヴォルガの舟歌」は管楽器と打楽器の編曲。なんかとっても怪しく巨魁ヒステリックに不気味でした。(1:35拍手有)素っ気なくも飾りのない表現だけど、妙にリアルであり、作品を充分堪能できました。

(2024年9月28日)

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written by wabisuke hayashi