Bach ソプラノ・カンタータ集
(ブレムベク/カペラ・イストロポリターナ/ワーグナー(s))


Bach

カンタータ「我が心は血の海に浮かぶ」BWV202
カンタータ「結婚カンタータ」BWV202
カンタータ「悲しみを知らぬ者」BWV209

ブレムベク/カペラ・イストロポリターナ/ワーグナー(s)

NAXOS 8.550431 1991年録音 860円

 バッハのカンタータを聴き始めると、一気にハマります。LP時代は20枚は持っていたけれど、CD時代になってから、NAXOSで数枚買って以来トンとご無沙汰。廉価盤では少ないんですよ。と、いうか、もともと意外と録音が少ないのかも。エラートのヴェルナーの録音なんか、CDでド〜ンと(激安で)復活しないもんでしょうか。

 アメリンクの「結婚カンタータ」をカセット・テープで見つけて、聴き比べに入りました。と、いっても手許にはこのCDと、バトルのカセットしかない。で、なんかしみじみとしてしまって、嗚呼いい感じ。現代楽器による演奏。

 フレデリケ・ワーグナーは、どういう経歴のソプラノか知りません。誠実で、やや音程が危なげで、あんまし上手くないところがたまらない。「パッとしないなぁ」なんて、考えているうちにしっかり引き寄せられます。これは偉大なるBach の音楽の力。キンキンと叫ぶところもないし、許してあげて下さい。(声楽のことはわからないので、これにてコメント終了)

 カペラ・イストロポリターナのアンサンブルは、ずいぶんと洗練されない。地味で素朴な、といえば聞こえはよいが、ようはするに上手くなくて、ちょっと薄いオーケストラ。Cejka(なんて読むの?)のオーボエも、あちこちで大活躍ですが、土臭い音色で田舎臭い。BWV199の「ヴィオラ・オブリガート」は、なんともいえない、ちょっと引きずるような味わいは悪くないもの。

 「結婚カンタータ」の第3曲「アリア」で、ファゴットがオブリガートしているんですよね。ここはユーモラスでたまらない楽しさ。次のアリアがヴァイオリン・オブリガートで、ま、フツウ。で、また少々たどたどしいオーボエでしょう。「音程がおかしくないか?」なんて思いながら、ちゃんと集中してしまいます。じつに・・・安らぎます。

 BWV209はフルート大活躍。(Raskova'というひと)シンフォニアはちょっと哀愁っぽい旋律のフルート協奏曲の感じ。リズムがゆるく、もたつくのが残念。でも、メロディ・メーカーとしてのBach の魅力爆発の名曲。この曲は、あまり知られていないと思うけれど、他の曲も聴きたくなります。

 音の状態も悪くないし、この演奏でBach を誤解するようなこともないでしょう。(そんなヤワな音楽じゃない)一時間メいっぱい聴いていると、歌声が単調と感じないでもない。

 評論誌ではまず「推薦」にならないでしょうが【♪ KechiKechi Classics ♪】では(可愛そうなので)推薦しておきます。(1999年)


その後・・・・・

 シュライヤー/マティス(CCC)の素晴らしいCDを買ってしまいました。当たり前だけれど、躍動感と陰影の深い演奏を聴いてしまうと、どうもいけない。オーケストラの基本的技量にも問題があるし、解釈が普通すぎてお話にならない。だいたいBRILLIANTで出た、新しい全集なら@300でお釣りが来る。で、このCDますます旗色が悪くなりました。(2001年2月)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi