Shostakovich 交響曲第7番ハ長調「レニングラード」
(ミヒャエル・ザンデルリンク/ドレスデン・フィル)
Shostakovich
交響曲第7番ハ長調「レニングラード」
ミヒャエル・ザンデルリンク/ドレスデン・フィル
SONY19075872462 2017年録音
偉大なるKurt Sanderling(1912ー2011独逸)の三男坊Michael Sanderling(1967ー独逸)による全集録音より。音質極上。彼は既にドレスデン・フィル首席を降りて、現在はヤノフスキが復帰しているとのこと。ケーゲル時代の記憶をたどれば、ずいぶんとサウンドはモダーンにアンサンブルも洗練されて、ちょいと線は細い。昔のムラヴィンスキー辺りに比べると(音質さておき)こちらずいぶんと平和な感じ。この作品は有名な第5番「革命」以上に俗っぽさを感じて(とくにシュワちゃんのチチンブイブイ以来?)拝聴機会は少なくなっておりました。
第1楽章「Allegretto(戦争)」はいかにも! 風大仰に少々クサく勇壮な「人間の主題」優しい「生活の主題」を経、例のシンプルなボレロ風「戦争の主題」が延々と、微妙に変化を加えつつ繰り返されてアツく盛り上がっていくところ。悠々として正確なリズム、正確なイン・テンポを維持して、馴染みの硬質辛口サウンドも作品に似合って、堂々とした始まりに、物々しい重さのないクール。むしろユーモラスな風情さえ感じさせて、やがて賑々しく迫力たっぷり悲痛に高揚するところも一歩引いて、これが時代の流れなんでしょう。ちょっぴり肌理の粗いサウンドも曲調に似合っておりました。(26:52)
第2楽章「Moderato. Poco allegretto(回想)」スケルツォは静謐、手探りな無表情に始まって、途中苛烈な大爆発が疾走します。ここは一気にテンポ・アップしてリズミカルにカッコ良いところ。そして暗鬱な静謐に戻ってこの楽章を閉じました。静謐な部分はけっこう難解かも。(12:07)
第3楽章「Adagio(祖国の大地)」は静かなな開始、やがて管楽器による神々しいコラールが歌われ、中間部は怒涛のような全楽章同様に怒涛の進撃と爆発が爽快なところ。ここにもゴリゴリとした威圧感はありません。またコラールが回帰して感極まったあとに安寧の落ち着いた弦の旋律が静まり返って、そのまま終楽章へ(20:08)
第4楽章「Allegro non troppo(勝利)」はやはり静かに不安げな始まり、「タタタター」という同音連打は(執拗に繰り返される)モールス信号の「V」すなわち「Victory」を表すとのこと(Wikiより/「運命」のパロディとも)。スピード・アップは緊張感を伴ってパワフルにカッコ良く、第2部はテンポを落として深い祈りのような静謐がやってまいりました。やがて音量を上げ、表情は晴れやかさを増して、勝利への道筋を指し示します。やがて第1楽章の「人間の主題」が回帰して輝かしく力強く幕を閉じる・・・のは、いかにも苦難から勝利への典型的な図式っぽい感じでちょっとクサいけど、ここでもちょっと引いたクールさも感じたもの。(19:18)
ま、かつてはナチス・ドイツのレニングラード攻防戦勝利!みたいなプロパガンダ(扇動宣伝)音楽だったんだろうけど、指揮者も聴き手も皆、世代が変わってそんな政治的意図も雲散霧消、”ようできた音楽”としてカッコよく、泥臭さの少ない演奏に仕上げておりました。 (2023年10月14日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
|