Schulhoff 交響曲第1番/第2番/第3番
(ゲオルグ・アレクサンダー・アルブレヒト/フィルハーモニア・フンガリカ)


CPO 999251 Schulhoff

交響曲第1番 作品25(1925年)
放送用交響曲第2番 作品81 (1932年)
交響曲第3番 作品85 (1935年)

ゲオルグ・アレクサンダー・アルブレヒト/フィルハーモニア・フンガリカ

CPO 999251 1993/94年録音

 (手抜きな昨日「音楽日誌」流用更新です)ここのところBeeやん辺りオーソドックス王道な音楽ばかり聴いていたけれど、基本嗜好としてはこちら方面。 Erwin Schulhoff (1894-1942)に系統的な録音を残した(マニアックな)CPOレーベル、NMLを検索してびっくり!この音源の影も形もない。

 交響曲第1番 作品25(1925年/エーリヒ・クライバー初演)。第1楽章「Allegro ma non troppo」はStravinsky風+軽妙なリズム(「ナイチンゲール」を連想、あちこち中華風旋律っぽい)シンプルな繰り返しはわかりやすい。第2楽章「Andante con moto - Allegretto alla marcia」は高音ファゴットの哀愁浪漫甘美な旋律に導かれて幻想的、不安な陰はあるけど平易な緩徐楽章であります。やがて声を潜めるような行進が始まって(「ローマの松」を連想)不協和音っぽい弦に導かれて駆け出します。そのまま馬鹿騒ぎな大盛り上がり、打楽器も大活躍。第3楽章「Molto allegro con brio e agitato」は擬古典的というか民族的(オリエンタル)な旋律にノリノリの打楽器リズム(これは全編)が愉しいもの。とくにティンパニ大活躍。ラスト華やかな(ややありきたりな)金管の盛り上がりの結末です。

 放送用交響曲第2番 作品81 (1932年)の経緯は調べが付きませんでした。「放送用」とは?第1楽章「Allegro ma non troppo」はリリカル淡々とした風情+第1番に共通するリズムの刻みはそのまま。勇壮な旋律のわかりやすさ、ティンパニ、ファゴットの活躍も健在です。第2楽章「Andante con moto」は粛々とした情感に不足する静かな音楽はやや期待外れ。第3楽章「Scherzo a loa jazz. Allegro assai」はジャズの影響を受けたらしい。たしかにトランペット、サキソフォーンの音色はそれ、出足はKhachaturianっぽいけど、あとはほとんどWeill でっせ。妖しく、色彩や動きのない音楽。第4楽章「Finale. Allegro con spirito」新古典的な風情はHindemithを思い出しました。全体にやや暗く、第1番ほどの溌剌さがないのはプラハ時代の苦境の反映なのでしょう(その後ずっと苦境なまま亡くなるけど)。

 交響曲第3番 作品85 (1935年)も苦しい時代の産物。第1楽章「Moderato」は暗く重いファゴットのモノローグというか足取り重い行進から開始。これが絶望的な風情なままズズ暗く、重く行進は延々続いて妙に盛り上がるんです。第2楽章「Grave, ma deciso」もほとんど「地下生活」風暗さばかり。悲痛な盛り上がりも前楽章同様、第1番の明るく美しい旋律はどこに?第3楽章「Allegro ma non troppo」はHindemithによく似て、ティンパニの決然とした繰り返しに乗って、決意を感じさせる勇壮な旋律が続きました。それでも、やはり、暗い。ラストはRespighiバリに、力強く盛り上がりました。

 末期のフィルハーモニア・フンガリカ(2001年解散)のアンサンブルに不足もなし、G.A.アルブレヒト(George Alexander Albrecht )って、てっきりヴェルナー・アンドレアス・アルブレヒト(1935-)と混同しておりました。同い年だったんですね。

(2015年9月27日)


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written by wabisuke hayashi