Schubert 交響曲第9番ハ長調
(チャールズ・マッケラス/ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団)


VIRGIN VC790708-2 Schubert

交響曲第9番ハ長調

チャールズ・マッケラス/ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント管弦楽団

VIRGIN VC790708-2 1987年録音 オークションで400円(総経費込)ほどにて入手

 たしか中学生の時に、カラヤンの快速新録音が話題となってレコード屋へ。結果的にフルトヴェングラーを購入したのは価格故だった(ちょっとだけ安かった)のか、それとも試聴一発で痺れたか?記憶既になく、少なくとも壮絶な演奏がこの作品の刷り込み(自分なりの基準)になったのは間違いありません。LP時代は、シャルル・ミュンシュ、そしてカール・シューリヒトを愛聴していた記憶も鮮明。

 いつの間に”苦手系”作品となってしまったのか・・・嫌いな作品じゃないが、少々敬遠気味でして、それは勇壮に、たっぷり歌うほど反発意識が強まります。室内楽やら、ピアノ・ソロだったら心楽しく没入できる・・・のはBrahms に似ております。

 このマッケラス盤は、激安なのにオークション競合なしで入札出来、人気ないんだな。実力派なんだけど。

 古楽器によるさっぱりとしたフレージング、チープ(?)な響き、リズムあくまで軽快、やや速めのテンポがワタシには快い。全部ではないが、繰り返しはほぼ実行(第2楽章以外)されており、美しい旋律をたっぷり堪能できました(ワタシは硬派な”繰り返し支持派”です!)。素朴ではあるが粗野ではなく、集中したアンサンブルは躍動し、徐々に盛り上がって終楽章で最高潮に達します。旋律を雄弁に煽ったり、テンポを大幅な揺れさせない(第1楽章冒頭が典型例/但し、第2楽章「アンダンテ」ラストでゆったりテンポを落とすが)ストレート+清涼サウンドに魅了され放し。

 第1楽章冒頭、上手すぎない、ちょっと手探りなホルンが味わい深く、さっくりとしたリズムで弦が、木管が、スタートダッシュに備えてじわじわ、そわそわ。主部突入のテンポ変化はほとんどありません。柔らかい金管は賑やかに喜ばしい。第2楽章は深刻になりすぎず、第3楽章は喜ばしい舞曲であります。軽快愉快に揺れるレントラーの楽しさはひとしお。だから”威圧感”とは無縁の音楽となります。

 終楽章は颯爽として若々しい。速めのテンポなのに(しつこく)繰り返しているから、なんと15:22也。冒頭部分が繰り返されると、新鮮な驚きがありましたね。洗練はないが、サウンドは痩せすぎない。響きが鋭くなり過ぎない。聴き慣れぬフレーズ、音色があちこち響き渡って、やはり白眉は終楽章でしょう。繰り返される旋律はしつこい!ですか?興奮はいつまでも続く。

 録音極上。古楽器としての技術的な問題も(この時点で)クリアされております。

(2008年8月1日)


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written by wabisuke hayashi