Scho"nberg ピアノ協奏曲/
Prokofiev ピアノ協奏曲第5番ト長調(アルフレッド・ブレンデル(p))


仏VOX PL 10530 Scho"nberg

ピアノ協奏曲

ミヒャエル・ギーレン/南西ドイツ放送交響楽団(バーデンバーデン)(1957年)

Prokofiev

ピアノ協奏曲第5番ト長調

ジョナサン・スンタバーグ/ウィーン国立歌劇場管弦楽団(1955年)

アルフレッド・ブレンデル(p)

BRILLIANT 93761(写真は仏VOX PL 10530)

 今年亡くなったAlfred Brendel(1931-2025捷克→墺太利)が未だ若手、売れていなかった頃の録音。モノラルだけど音質はかなり良好。これはVOX録音をまとめたBOX、第2回HDDお釈迦事件にデータファイルを失って、順繰り再入手しているところ。

 Scho"nbergは1944年初演(エドゥアルト・シュトイアーマン(p)/レオポルド・ストコフスキー/NBC交響楽団)。これが世界初録音とのこと、後年1993年同じ顔合わせによる再録音が存在します。Michael Gielen(1927-2019独逸)も当時駆け出しの30歳、後年当時を振り返って「ギャラはとても安かったけれど、それでも喜んで録音に参加した」そんなインタビューを拝見しましたっけ。

 その昔、グレン・グールドの演奏(1965年)に出会って、そのドデカフォニー旋律にはまったく歯が立たなかった記憶も鮮明に難解な作品。やがて幾度も拝聴して、その息を潜めるように静謐、神秘、リリカルな美しさ、妖しくも甘い、掴みどころのない旋律に心奪われるように至りました。曖昧さのない知的なピアノ、緻密にデリケートな管弦楽の解像度を堪能、ギーレンがこのオーケストラの首席に就任するのは32年後でした。
(Andate-Allegro Molto-Adagio-Giocoso-Coda Prest/21:05)

 Prokofievもかなり硬派に、自由な5楽章から成る作品、初演は1932年(作曲者のピアノ/フルトヴェングラーによる)これがおそらくブレンデルがVOXへの最初期の録音でしょう。
 かつての記憶とは違ってユーモラスな旋律から始まってリズムも明晰、さほどに晦渋さを感じませんでした。第3番ハ長調の快活な大衆性とはもちろん異なって自在な旋律、聴き進むにつれ硬質な苦みが加わります。華やかではないけれど、かなりの技巧を要求されそうなピアノ、ブレンデルのタッチにはデリケートな余裕が感じられました。Jonathan Sternberg(1919ー2018亜米利加)とは初耳、指揮者、教育者、Haydnの権威として活躍したらしい。今回のこの演奏を久々に拝聴して、すっかり作品のリリカルな魅力に目覚めました。

第1楽章「Allegro con brio」は剽軽に軽快、淡々と穏健な始まり(5:02)
第2楽章「Moderato ben accentuato」ここは弾むような行進曲?風。細かい音型のピアノに苦いユーモアが漂います。(3:17)
第3楽章「Toccata. Allegro con fuoco」は力んでハードな風情に非ず、自在に軽妙に躍動はヒステリック。(2:10)
第4楽章「Larghetto」のしっとりとした安寧はこの作品の白眉でしょう。そっと呟くようなピアノは延々、それを穏やかな管弦楽団包み込みました。(5:59)
第5楽章「Vivo」最終楽章は怪しく蠢くようなリズムに始まって、無感情なソロが続きました。一旦それは立ち止まって、明るいラストはテンポ・アップして終了。(5:27)

(2025年12月20日)

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written by wabisuke hayashi