Satie「パラード」/Milhaud 「屋根の上の牛」/
Auric 序曲/Francaix ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ
(アンタル・ドラティ/ロンドン交響楽団/クロード・フランセ(p))他
Satie
バレエ音楽「パラード」
Milhaud
バレエ音楽「屋根の上の牛」
Auric
序曲
Francaix
ピアノと管弦楽のためのコンチェルティーノ
アンタル・ドラティ/ロンドン交響楽団/クロード・フランセ(p)(以上1965年)
Paul Fetler(1920-亜米利加)
管弦楽のためのコントラスツ
アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団(1960年)
Mercury UCCP3477
1965年と云えばMercury録音おそらくは最末期。1960年前後、例えばRCAのLiving Stereo、Everest 辺りを聴いて21世紀テクノロジーの進化ってなんでしょ?いつも驚かされます。もともとの企画は”Paris 1917-1938”、FetlerはもちろんGeorges Auric(1899ー1983仏蘭西)も初耳、他はお気に入り作品ばかり。
ルイ・ド・フロマン/ルクセンブルク放送管弦楽団の選曲に似て、彼(か)のかなり危ういアンサンブルも好きなんだけど、こちらロンドン交響楽団の技量、ドラティのかっちりとした緻密な表現が光ります。そして目の醒めるような音質。
バレエ音楽「パラード」は1917年初演、アンセルメの指揮、台本はジャン・コクトー、美術と衣装はピカソでっせ。起承転結筋書きもサビもない、拍子は刻々と転変して時に無機的なサウンド(サイレン、タイプライター、ピストル!)も参入、21世紀の耳でも前衛的、ルイ・ド・フロマンはエエ加減なアンサンブルだったと記憶するけれど(それが味わい)こちら硬派な表現に作品の素の姿が浮かび上がるもの。コラールー赤いカーテンの前奏曲ー中国の手品師ーアメリカの少女ー軽業師ー
終曲。(14:37)
バレエ音楽「屋根の上の牛」は録音も多くて、これはけっこうな人気作品。またまたジャン・コクトーの台本、もともとはチャップリンの無声映画の音楽だったとのこと。初演は1920年、誰でも気づくけれど伯剌西爾のサンバ?ノリノリのリズムが繰り返されて、それが哀愁にテンポダウンしたり立ち止まったり、先のルイ・ド・フロマンのリズムはガタガタよれよれだったような?(再確認必要)こちらドラティは当たり前の”カッチリと正確な”リズムの刻みはヴィヴィッドそのもの。オーケストラが上手いんやなぁ、これはそうとうな難曲でしょう。打楽器は二人、ギロ、シンバル、バスドラム、タンブリン、プロヴァンス太鼓が入るそう。(18:45)
Auricの「序曲」の経緯がようわかりません。この人映画「ローマの休日」を作曲しているんですね。上記2曲は前衛的な雰囲気満載だったけれど、こちら賑々しくも華やか、親しみやすい映画音楽の風情ですよ。(8:01)Jean Francaix(1912ー1997仏蘭西)のコンチェルティーノは、上記作品とは風情を変えて、細かい音形がデリケート、クールに淡々と落ち着いた可愛らしい作品でした。クロードさんは息子かな?Prest reggiero(1:56)Lentement(1:44)Allegretto-Rond(4:25)
Paul Fetlerの「管弦楽のためのコントラスツ」はCD化にあたっての穴埋めでしょう。”Paris 1917-1938”という趣旨とも異なるもっと後年、亜米利加の音楽。明るく勇壮、しっかりとしたリズムを刻んで、わかりやすい、現代の日常演目に生き残ってもおかしくないほどの多彩な名曲でした。映画音楽風?Allegro forzaーAdagioーScherzoーAllegro ma non troppoーAllegro marciale-Prestoの4楽章から成って、意外と保守的、朗々たる金管にピアノが華を添えてミネアポリス交響楽団も優秀です。 (2021年9月4日)
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