Schubert 弦楽五重奏曲ハ長調 D956/
Dvora'k 弦楽六重奏曲イ長調 作品48
(サラゴン弦楽四重奏団/2017年)


Salagon Quartett Schubert

弦楽五重奏曲ハ長調 D956

Dvora'k

弦楽六重奏曲イ長調 作品48

サラゴン弦楽四重奏団

2017年Concertgebouw,chamber music hallライヴ/放送音源?

 このライヴ音源はCDに非ず、放送音源かなにか?ネット流出したもの。入手経緯は記憶雲散霧消。仏蘭西プロバンス地方の美しい修道院「Salagon」の名前を持つサラゴン弦楽四重奏団は、18世紀の音楽を得意とする女性4人の古楽器弦楽四重奏団・・・とはネット情報の受け売り。写真を見るとオッサンも一人入ってますね。メンバー入れ替えでもあったのでしょうか。(Christine Busch(v)/Isabelle Farr(v)/Sebastian Wohlfahrt(va)/Gesine Queyras(vc)+Christoph Dangel(vc))これは浪漫派辺りの保存音源ファイル点検整理していうちに出会った演奏会ライヴ音源、音質は極上でした。

 悠々纏綿たる歌が続くSchubert最晩年のスケール大きな名曲中の名曲はシャンドール・ヴェーグ/カザルス(1963年)による貫禄の演奏に出会いました。チェロ2台が低音を強化してそんな印象に至るのでしょう。ま、誰の演奏でも同じ?間違いなく深い感銘をたっぷり、こちらいっそう親密な風情でした。爽やかに朝目覚めて快く走り出して懐かしい第1楽章「Allegro ma non troppo」は延々と親しみやすい歌は長大。これは往年の巨匠達の記憶から遠く、すっきりさっぱりしたフレージングにヴィヴラート少なめ、柔らかい響き。低弦のバランスも重過ぎぬ感じ。(19:26)延々と甘美な瞑想が息長く続く第2楽章「Adagio」ここは優しく瞑想的な旋律は清潔に優しく響いて、低弦のピチカートが印象的でした。(12:52)闊達なリズムと喜びが爆発する第3楽章「Scherzo: Presto - Trio: Andante sostenuto」は古楽器の響きあくまでマイルド。トリオの詠嘆も控えめでした。(8:53)第4楽章「Allegretto」は符点のリズムが躍動しても古楽器サウンドはマイルド、仄暗い力強さを感じさせるフィナーレでした。(10:01拍手有)

 Dvora'kのほうは初耳?編成は先のSchubertに+ヴィオラが一台加わりました(Katya Polin(va))。例の如く懐かしくも、優しい旋律が溢れ出て親しみやすい名曲。1878年作曲者37歳の作品、ヨーゼフ・ヨアヒムに激賞された出世作らしい。第1楽章「Allegro moderato」は親しみやすく流れるように、ちょっぴり陰りのある旋律から始まって(13:03)第2楽章「Dumka. Poco allegretto」ドゥムカは「哀歌」とも訳され、淡々として微笑むようにわずかな哀しみがデリケートに揺れるところ。(6:36)第3楽章「Furiant. Presto」は明るい民族舞踊そのもの、ヴィヴィッドなリズムにちょっぴり涙も混じります。(4:29)第4楽章「Finale. Tema con variazioni. Allegretto grazioso, quasi andantino」はどんよりしっとり暗い楽想の主題から、ある時は寂しく、ある時は激しく、多彩にデリケートに変遷する変奏曲、ラストは快活に疾走しました。(8:23)

 この2曲のみで演奏会が成り立っていたのか不明、録音を聴く限り、これで充分愉しめる内容でした。

(2024年5月18日)

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written by wabisuke hayashi