Vaughan Williams 交響曲第2番「ロンドン交響曲」/ 交響曲第5番 ニ長調
(レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ作曲者による)
Vaughan Williams
交響曲第2番「ロンドン交響曲」
ロンドン交響楽団(1946年ライヴ)
交響曲第5番 ニ長調
ロンドン・フィル(1943年初演ライヴ)
レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams , 1872-1958英国)
SOMM ARIADNE 5019
先日いつも拝見するブログに、日本に於ける英国音楽の人気の薄さを実感させる記事に出会いました。彼(か)の淡彩な穏健風情は日本人の嗜好とは合わないのでしょうか。未だCDを一生懸命収集していた頃、ヤフオクで英国音楽は驚くほど格安に入手できた記憶もありましたっけ。自分は「グリーンスリーヴズによる幻想曲」(アーサー・フィードラー/ボストン・ポップス管弦楽団)と小学生時代に出会って以来の英国音楽ファン、これは作曲者自演の貴重なライヴの記録でした。アセテート盤からの復刻ですか?5分ほどの断片の寄せ集め、ところどころ途切れているのは残念だけど、さほどに気になりません。音質は驚くほど解像度良好、低音も効いておりました。
三管編成の「ロンドン交響曲」は両端楽章にビッグベンの鐘が遠くに鳴り響いて、その昔二時間ドラマのテーマ曲だったのも懐かしい。第1楽章「Lento - allegro risoluto」から鬱蒼と薄曇りな躍動が、いかにも英国風に落ち着いた魅惑の風情。心持ちさっくりとした速めのテンポでした。(13:02(4:40-4:47-3:35))第2楽章「Lento」遠い目に寂しく過去を振り返る瞑想も絶品、しみじみ鬱蒼とした木管の歌、遠く響くホルン、ここは馬子歌風に鈴の響きもリアル。まるで赤く燃える黄昏のような情感も高まります。(9:37(1:30-4:45-3:22))第3楽章「Scherzo(Nocturne)Allegro vivace」は控えめ軽快にデリケート、ユーモラスに躍動するスケルツォ。ここの疾走、中間部の民謡風旋律もRVWの魅力際立つところ。(7:10)第4楽章「Finale: Andante con moto〜」は堂々たる歩みに意外に決然と力強い、大きな劇的表現、第1楽章旋律が懐かしく回帰して、静かに消えるように終了しました。 (10:14(5:01-5:13))名曲!そして戦後間もないロンドン交響楽団も力演していると思うけどなぁ、日本での演奏機会は少ない作品と思います。
交響曲第5番ニ長調は二管編成、ロンドン・フィルとのライヴ。こちらも想像より音の状態はかなりよろしい。第1楽章「Prelude, Moderato」は例の如く遠い田園風景のように茫洋として懐かしく、長調なのに寂しげに胸が痛むような始まり。やがて荘厳な構築物のような風情に至りました。(11:06(5:07-5:06-0:53)) 第2楽章「Scherzo, Presto misterioso」はイ短調なのに、まるで田舎にロバを挽くようなリズムを刻んでユーモラス。(4:02)第3楽章「Romanza, Lent」は幻想的に木管楽器が纏綿と歌い交わして、味わい深くも切ない緩徐楽章。後半は弦も金管もアツい情感がこみ上げます。(9:24(4:11-5:13))第4楽章「Passacaglia, Moderato」はちょっと古風な風情を感じさせる「Passacaglia」。悠々と落ち着いて静謐冷静、やがて金管が華やかに、木管も躍動するリズムを刻んで、壮麗な高揚。決然と輝かしく全曲を閉じました。(9:10(5:09-4:02)拍手込み)いずれややつかみどころのない、茫洋と地味な作風、日本じゃ人気出ないのでしょう。自分はそんな個性が大好き。 (2024年7月13日)
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