Anton Rubinstein ピアノ協奏曲第4番ニ短調/
Sigismond Thalberg ピアノ協奏曲ヘ短調
(マイケル・ポンティ(p))
Anton Rubinstein
ピアノ協奏曲第4番ニ短調
オトマール・マーガ/フィルハーモニア・フンガリカ(1968年)
Sigismond Thalberg
ピアノ協奏曲ヘ短調
リチャード・カップ/ヴェストファリャ交響楽団(1973年)
マイケル・ポンティ(p)
Brilliant 9021/16
秘曲を集めたThe Golden Age of the Romantic Piano Concerto(Brilliant Classics/CD20枚分)より。これはかつてVOXから出ていたものでしょう。秘曲専門っぽいMichael Ponti(1937-2022独逸→亜米利加)の技巧はいつも明晰でした。伴奏陣の指揮者も管弦楽もあまりにマニアックでした。
Anton Rubinstein(1829-1894露西亜)はドイツ・ロマン主義的で保守的な作風は民族主義的作曲家グループロシア5人組と対立した(Wikiより)とのこと。彼のの作品は過去幾度か聴いて、演奏や音質印象?芳しく思えず進んで効き進めようと思わなかった作曲家。ところがこのニ短調協奏曲はピアニストの素晴らしいテクニックの成果なのか、素晴らしく劇的に華やかな作風に感動いたしました。けっこうな名曲。マニアックなバックもマイナー好き(=ワシ)の心をくすぐります。
第1楽章「Moderato assai」は哀愁濃厚甘美魅惑の旋律はソロと管弦楽の会話、Rachmaninovをちょっぴり連想させました。デッドにオン・マイクな音質のせいもあって、ポンティのキレのあるピアノ(雄弁なカデンツァ)も管弦楽伴奏もややデリカシーが足らぬでしょうか。(11:15)
第2楽章「Andante」は懐かしく語りかけるような緩徐楽章。淡々としたソロに木管の合いの手も可憐でした。(8:40)
第3楽章「Allegro」軽妙にリズミカルだけど出足曲想は暗く、緊迫感が漂います。ピアノの技巧は華麗であり雄弁、力強いもの。やがて爽快にパワフルにフィナーレを迎えました。(9:00)
Sigismond Thalberg(1812-1871瑞西)は同時代者のフレデリック・ショパン、フランツ・リストなどと並んで、19世紀において最も傑出したピアノの名手の一人(Wikiより)とのこと。かつて彼の作品をちょっぴり聴いた印象では、Lisztよりさらに技巧優先、旋律のオモロなさはそれを上回る・・・そんな勝手な先入観を抱いておりました。ヘ短調協奏曲は鄙びたオーケストラの響きもエエ感じ。
第1楽章「Allegro maestoso」は意外にもシンプル穏健な旋律リズムを刻んでWeberを連想させる出足。けっしてバリバリ弾き進めるようなソロの扱いに非ず。控えめに情感が高まるようなピアノがちょっぴり哀しげに甘い旋律。この辺りChopin顔負けの気紛れに愉快な疾走もありました。後半に進むほどに高い技巧は要求されそうな感じ。(11:22)
第2楽章「Adagio」の始まりは優しく憧憬に充ちたピアノ・ソロ。短いけれど、ここも素晴らしい旋律ですよ。(3:25)
第3楽章「Rondo(Allegro)」弾むような舞曲風のフィナーレは可憐であり、愉悦に満ちた軽快な疾走でした。(9:21)
(2025年6月21日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
|