ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ストックホルム・フィル
(1979年レニングラード・ライヴ)


Melodiya C10 13297 Brahms/Scho"nberg編

ピアノ四重奏曲第1番ト短調 作品25(管弦楽版)

Alfven

歌劇「山の女王」より「羊飼いの踊り」

Sibelius

交響曲第5番 変ホ長調

Shostakovich

バレエ組曲「ボルト」
Overture-Dance bureaucrats-Intermezzo-Compromiser-Dance carter

ゲンナジ・ロジェストヴェンスキー/ストックホルム・フィル

Melodiya C10 13297 1979年レニングラード・ライヴ

 Gennady Rozhdestvensky(1931ー2018露西亜)がストックホルム・フィルの首席を務めたのは二度、1974ー1977年、1991ー1995年、このオケとは親密な関係だったようです。母国へのツアーの記録がLP2枚分音源として残っていて、ネットより拝聴できました。音質は旧ソヴィエットにしてはかなり良心的、やや鮮明さを欠くけれど、それなりライヴの雰囲気を味わえる記録でしょう。これが演奏会演目だったのかな?他に協奏曲があったはず。ニュアンス豊かなオケの技量も立派でした。

 Brahms20歳代の作品であるピアノ四重奏曲第1番ト短調の初演は1861年、有名なクララ・シューマン。彼の性格なのか、若い作品なのに幽愁哀愁な風情溢れるスケール、これがScho"nbergによって三管編成、巨大交響曲風に編曲され、初演はオットー・クレンペラー/ロサンゼルス・フィル(1938年)。録音はけっこう多くて、原曲も編曲も自分のお気に入り作品でした。ロバート・クラフトへの言及有)ま、誰の演奏でもよろしい。

 第1楽章「Allegro」もの哀しくも寂しい管楽器による第1主題は、まるで交響曲第4番ホ短調冒頭の続編のように響いて、スケール大きく弦に引き継がれます。ロジェストヴェンスキーはたっぷり雄弁に表情豊か、寄せては返す緊張感を維持して力強く、テンション高いもの。金管と打楽器が効いて室内楽とはイメージを変えております。(14:01)第2楽章「Intermezzo」は寂しげな歩みが符点のリズムに乗って、流れるように静謐な場面。夜の色彩を感じさせるところ。ホルンが入るといきなりのスケールアップを感じさせます。(8:41)

 第3楽章「Andante con moto」これが緩徐楽章ですか?悠々とした安寧牧歌的な風情、これがフル・オーケストラによって纏綿と歌われて広がりを感じさせるところ。トリオは豪快に大きいなぁ。(10:53)第4楽章「Rondo alla Zingarese」終楽章は熱狂的な(Brahmsお気に入りの)ジプシーの切迫したリズム、これがまるで蒸気機関車のような迫力と疾走を感じさせて重量級でした。(8:39)Scho"nbergならではの管弦楽技法が駆使されているそうだけど、ド・シロウト耳にはBrahmsそのもの鬱蒼とした風情が広がりました。

 Alven「羊飼いの踊り」は賑々しくも楽しいアンコール風常動曲。弦の目まぐるしい旋律、みごとなアンサンブルはオケの技量を物語ります。拍手も熱狂的。(3:49)

 Sibelius 交響曲第5番 変ホ長調。Sibeliusは異形なるスケールを誇るモスクワ放送交響楽団との全集(1969-1974年)を思い出すもの。この作品は爽やかに明るい風情の3楽章、第1楽章「Tempo molto moderato - Allegro moderato (ma poco a poco stretto) - Vivace molto - Presto - Piu Presto」は浮遊するような木管やら弦のデリケートな、爽やかな響きがかつての演奏イメージとは異なって、もちろん表示豊かに力強い金管の爆発もたっぷり。浮き立つようなノリもあって、暑苦しいヴィヴラート満載な露西亜風に非ず、これはオケの個性でしょうか。(13:13)第2楽章「Andante mosso, quasi allegretto - Poco a poco stretto - Tranquillo - Poco a poco stretto - Ritenuto al tempo I」はシンプルな旋律による、シンプルな変奏曲。両端楽章の緊張感の合間に佳き息抜きになっておりました。(7:34)第3楽章 「Allegro molto - Misterioso - Un pochettino largamente - Largamente assai - Un pochettino stretto」細かい弦のトレモロは幻想的、のちの交響曲第6番第7番に通ずる神秘を感じさせるところ。おそらくはオケにとって難物なアンサンブル、らくらくとストックホルム・フィルはクリアして、鐘の響きを模した(らしい)ホルンのモチーフはオケ全体に受け継がれ、壮大爽快な情景が広がります。ヴィヴィッドに表情豊か、アツい説得力は、ロジェストヴェンスキーの面目躍如。ラスト、思いっきりのタメもみごとに決まって情熱的。 (8:34)

 Shostakovichのバレエ組曲「ボルト」は、ソヴィエット聴衆へのサービスでしょう。にぎやかな往年の映画音楽風、わかりやすい(安っぽい)”冒険活劇に事件発生”(時に思いっきりユーモラス)風。5:13-2:24-2:58-2:15-1:56、交響曲を心安らかに聴けるようになったのは最近だけど、こんな小品集?っぽいのは以前よりお気に入りでした。

(2021年4月3日)

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written by wabisuke hayashi