駅売海賊盤

20世紀不滅の名演奏家 ロストロポーヴィチ



Elgar チェロ協奏曲ホ短調 作品85〜第1楽章
ロケストヴェンスキー/モスクワ・フィルハーモニー(1964年)

Dvora'k  チェロ協奏曲ロ短調 作品104〜第2楽章
ハイキン/モスクワ放送交響楽団(1950年)

Respighi  アダージョと変奏
ロケストヴェンスキー/ソヴィエット放送大交響楽団(1964年)

Beethoven チェロ・ソナタ第3番イ長調 作品69から第1楽章
リヒテル(p) (1961年)

Debussy チェロ・ソナタ〜プロローグ
ブリテン(p) (1961年)

Schumann 「トロイメライ」
ヤンポルスキー(p) (1950年)

Bach 無伴奏チェロ組曲第2番ニ短調BWV1008(1956年)
「アリア」〜管弦楽組曲第3番ニ長調BWV1066より
アノーソフ/弦楽合奏団(1956年)

ロストロポーヴィチ(vc)

FIC ANC1004D 500円で購入

 著作隣接件切れの狭間を縫って出された海賊盤です。部分楽章のみ取り出しがやや悔しいが、手に入りにくい音源を揃えてくれて、これは聴き応えのある楽しい一枚なんです。ロシアのオーケストラ表示は非常にわかりにくく、ここではUSSR Radio & TV Large Symphony Orchestra というのがよくわからない。モスクワ放響とは違う団体らしい。もしかして現在のオスタンキノ響のことかな?

 ロストロさんもさすがに高齢で、最近はチェロを弾かなくなりつつあります。ワタシはカラヤンとの録音以来のファンだけれど、小澤との競演以降は聴く機会がありません。当然Bach も未聴。やや、上擦って高音のヴィヴラートをタップリ掛けた音色は嫌いな方もいらしゃるとのこと。ワタシは大好きです。

 Elgarはデュ・プレの入魂演奏が高名だけれど、ロストロさんの録音があったとは知りませんでした。音質良好です。おそらく全曲録音が存在するのでしょう。ぜひ一度聴きたいもの。いつものように感情移入タップリで、朗々と雄弁、並のスケールとテクニックではない生々しさ。

 Dvora'kはその昔(1970年頃?)コロンビア・ダイアモンド1000シリーズで出ていたもの。ハイキンのオーケストラが〜例えばホルンにビロビロのヴィヴラートを掛けてくれて雰囲気タップリ。チェロはその後の録音とそう変わりないんです。良く歌って、ツヤのある音色が素晴らしい。但し、ゆったりとした静かなこの楽章のほうが、抑制された美しさはいっそう実感できます。旧い録音だけれど、録音は悪くない。これも全曲欲しいところ。

 Respighiの作品は珍しいようだけれど、意外と録音はあるんですよ。(カサドも録音している)チェロ自体のレパートリーが狭いのかな。安寧に充ちた旋律が横溢していて、チェロの中低音を生かした名曲。諄々とした語り口の上手さはロストロの独壇場であり、ロジェストヴェンスキーは協奏曲ものに意外と熟達しています。これも音はなかなかよろしい。(音源不明)

 Beethoven は有名なPHILIPS録音です。チェロ・ソナタなんて、堅苦しくて・・・なんて思いつつ、低音のチェロが流れ出すともうスピーカーの前に釘付け状態。リヒテルのピアノは芯があって、重心が低い。名曲なんだろうが、こんなクソ真面目な曲につき合ってられないぜ、なんて思っていたけれど、ど〜んと胸に来ます。一見オーソドックスだけれど、細かい配慮があちこちにあって、尋常じゃない「歌」に圧倒されるばかり。

 Debussyは、ワタシ、チェロのための作品の最高峰(魅力的に)だと思います。ブリテンのピアノが達者だし、ロストロにしてはずいぶん表現を抑えた演奏だけれど、もっとカル〜く、サラリとした表現の方がこの曲には似合う。

 「トロイメライ」はLP時代、メロディアの1000円盤で持っていた名曲集だったかな、それに入っていたやつでしょう。ま、あれこれ云々するほどのものでもない。気軽に聴きましょう。(音は悪くありません)

 Bach の無伴奏チェロ組曲は、たしか放送録音からの海賊盤です。色気とツヤのある演奏スタイルはそのままで、抹香臭い求道心、みたいなものとは縁が薄い。技術的には見事の一言で、ほかの作品の演奏スタイルとなんら変わりありません。良く歌った美しいBach 。ルバートは現代の感覚からすると時代を感じさせるが、説得力は比類がないんです。意外にも聴きやすい音質でもある。

 「アリア」も、きっと「チェロ小品集」みたいな企画があって、旧ソ連で録音されたものでしょうか。お馴染みのアリアに主旋律をチェロで上乗せする、といった趣向の演奏です。このCDを締めくくるにはちょうどよろしいかも。(2002年5月17日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi