Respighi 交響詩「ローマの松」/交響詩「ローマの噴水」/
Stravinsky 花火/サーカス・ポルカ
(ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団)


 CLASSIC FOR PLEASURE LP CFP 40348 Respighi

交響詩「ローマの松」
交響詩「ローマの噴水」

Stravinsky

花火/サーカス・ポルカ

ラファエル・フリューベック・デ・ブルゴス/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団

CLASSIC FOR PLEASURE CFP 40348 LP音源 1968年録音

 日本でもお馴染みだったRafael Fruhbeck de Burgos(1933ー2014西班牙)は独逸系の指揮者。この時期はスペイン国立管弦楽団とデュッセルドルフ交響楽団のシェフを務めておりました。録音当時35歳、明日の巨匠発掘育成を狙ってEMIはいろいろな指揮者に録音をさせておりました。たしか「春の祭典」の録音もあったはず、こうして華やかな管弦楽作品を得意としていたのでしょうか。これはおそらく優秀録音と類推、LP復刻音源はやや曇って鮮明さを欠く?刺激的にならぬのが救い、オーディオ・ファンには4チャンネル収録は不評のようです。

 交響詩「ローマの松」は「ボルゲーゼ荘の松」に於けるホルン先頭に華やかな金管の爆発、一転して「カタコンバ付近の松」の静謐、悲嘆の聖歌、荘厳な賛歌(Wikiより)はやがて高まって弦と金管が力強く呼応します。(ここはもう少々クリアな音質希望)「ジャニコロの松」は木管と弦による幻想的なサウンドは清潔に洗練されデリケート、魅力的でしょう。ここがこの曲の白眉。ラスト「アッピア街道の松」はクライマックス、一番カッコ良い行進曲。金管炸裂、バンダ(金管別動隊)の位置関係がいまいち分離よろしくなくて、カタルシスにちょっぴり足りません。もう一歩の圧巻爆発を望みたいところ。(21:24)

 交響詩「ローマの噴水」は一日の推移を噴水に表現したものなんだそう。「夜明けのジュリアの谷の噴水」は静謐にひんやりとした空気が静謐爽やか。「朝のトリトンの噴水」は鮮烈な朝の光がホルン(ほら貝)の叫びに表現され、賑々しい光輝く希望に溢れた情景が広がります。「真昼のトレヴィの泉」は雄弁な上昇旋律がスケール大きい爽快なもの。(「ネプチューンの新たな勝利を告げる凱旋式」とのこと〜Wikiより)この辺りの金管の厚みや溶け合いは「松」よりリアルな音質と感じます。やがて夕暮れ迫って「黄昏のメディチ荘の噴水」はデリケートに静謐、名残惜しさ満載の風情でしょう。やがて日が陰って消えゆくように仕舞いして、「松」よりこちらのほうが上出来かと。(15:57)

 Stravinskyはおそらく「春の祭典」のフィル・アップ用録音だったんじゃないでしょうか。音質はこちらのほうがずっとよろしい感じ。オーケストラのキレも抜群。まさに彩り豊かに光り輝いて燃え尽きるようすがリアルな「花火」(3:15)。がちゃがちゃと賑やかに大仰ユーモラスな「サーカス・ポルカ」も最高、安っぽい軍隊行進曲も登場しました。(3:08)。

(2022年11月5日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi