Respighi 交響詩「ローマの噴水」/交響詩「ローマの松」
(アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団)
Respighi
交響詩「ローマの噴水」
交響詩「ローマの松」
アンタル・ドラティ/ミネアポリス交響楽団
Mercury Living Presence 432 007-2 1960年録音
ドラティのRespighiは「リュートのための古風な舞曲とアリア」と「鳥」「ブラジルの印象」の記憶も鮮明、肝心の三部作は2017年にちょろ聴きの記録もあって・・・あれ?「祭り」がない・・・それは「教会のステンドグラス」と並んで1954年モノラル録音だったのですね。1960年前後のMercury録音を聴く度、それから半世紀以上経って録音技術について、その進歩を疑ってしまう・・・アナログ録音だから原本テープの劣化はもちろんあるけれど、21世紀に現役音質水準。その録音の基本思想や姿勢、テクニックをもっと継承できなかったのか、そんな残念な気持ちに至ります。オーケストラ・ビルダーとして著名だったDorati Antal(1906ー1988洪牙利→亜米利加)はミネアポリス交響楽団のシェフとして1945-1960年在任。
交響詩「ローマの噴水」は三部作の第1作、1917年初演は評判いまいち、1918年トスカニーニの再演が盤石の評価を得たのだそう。fi-1/picc-1だから比較的編成は小さめ、但しティンパニのほか、シンバル、トライアングル、グロッケンシュピール、ピアノ、チェレスタ、ハープ、さらにオルガンも任意で登場する華やかなオーケストレーションでした。緻密なアンサンブル、色彩豊かなオーケストラの響きにデリケートな仕上げでした。
早朝の薄暗い静かな空気をデリケートに、弦と木管の優しい旋律にに表現する「夜明けのジュリアの谷の噴水」(4:10)
「朝のトリトンの噴水」ホルンと弦の絶叫は夜明けの強烈な日差し、繊細な木管はその光を反射する水の輝き。ホルンは神々や女神たちのほら貝なんだそう。(2:12)
「真昼のトレヴィの噴水」もりもりと力漲(みなぎ)る金管の絶叫は晴れやかな疾走。(3:40)
「黄昏のメディチ荘の噴水」やがて黄昏に沈静化して、ちょっと寂しい心情が表現されて、消えていく・・・名曲。(5:28)
一番人気の「ローマの松」初演は1924年。三管編成、舞台裏バンダのトランペット、ブッキナ(古代ローマ兵士が使用とのこと)も登場、打楽器は9種、チェレスタ、ピアノ、オルガン、ナイチンゲールの鳥の声も登場する大掛かりなもの。バンダ(別動隊)も必須。当時のミネアポリス交響楽団の力量全面発揮、クリアな迫力を堪能できました。
金管も華やかに輝かしい陽光に照らされ、こどもたちが遊ぶ描写が闊達に表現される「ボルゲーゼ荘の松」(2:43)
静謐に響く悲嘆の聖歌は、トランペット(ですか?)の抑制された歌に引き継がれ、やがて弦の荘厳な旋律の繰り返しに高揚する「カタコンバ付近の松」(5:34)
「ジャニコロの松」月夜に妖しく浮かび上がる松の幻想的な姿は静謐。ラストにはナイチンゲールの啼き声も(初演時はレコード使用したそう)(5:37)
「アッピア街道の松」古代ローマ執政官の軍隊がアッピア街道を前進する堂々たる幻影、それは遠方よりじょじょにその足音を強めて接近します。金管の圧倒的な爆発に+バンダも参入(実演では客席上方に陣取って立体的なものも経験)打楽器やピアノも全力爆発、壮麗なるクライマックスを迎えました。(5:25)
(2026年5月23日)
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