Respighi 組曲「鳥」/弦楽のための組曲 P41/組曲ト長調P58
(フランチェスコ・ディ・ヴェッキア/ローマ交響楽団)


BRL94900 Respighi

組曲「鳥」
弦楽のための組曲 P41(revised Salvatore Di Vittorio)
組曲ト長調 P58(弦楽とオルガンのための)

フランチェスコ・ディ・ヴェッキア/ローマ交響楽団

BRL94900 2009-2012年

 Francesco La Vecchiaはローマ生まれのヴァイオリニスト、指揮者らしい。Rome Symphony Orchestraは2002年創立の新しいオケ、NMLではけっこうな量の録音を発見できます。(←一部情報錯綜気味)廉価盤CDの雄BrilliantがRespighiの8枚セットを発売してくださったのは英断でした。Ottorino Respighi (1879-1936伊太利亜)は20世紀初頭の著名な作曲家でも、実演録音は限られた作品ばかり、このセット一枚目は誰でも知っているローマ三部作。

Respighi 交響詩「ローマの祭」/「ローマの噴水」/「ローマの松」〜フランチェスコ・ラ・ヴェッキア/ローマ交響楽団(2009年)

メジャーじゃないオケ(+見知らぬアーティスト)は必ずチェックしたい〜若く貧しかった頃からの癖であります。ローマのオケはかなり善戦して、音質がクリアなことも含め、アンサンブルの破綻や各パート技術的な不備は見られない。ゴージャスな響きはRespighiの魅力を引き出す実力充分・・・でもね・・・(中略)・・・いまいちリズムにキレと躍動が足りない、管楽器各パートに色気が足りない、サウンドに芯が足りない・・・ラ・ヴェッキアは堂々とした構えにスケール充分(とくに「ローマの松」のやや遅めのテンポ)、伊太利亜期待の新星!?(よう知らんが)

いくつか基本的な問題があるんだそうで、「祭」の響きが物足りないと思ったらオルガンを欠いているというご指摘有(スコアはどーなっとるのか、省略可なのかも)、「噴水」の「第2部 朝のトリトンの噴水」〜「第3部 真昼のトレヴィの泉」経過に編集ミスがあって音楽がすっ飛ばされるのは致命的、残念。(2015年7月「音楽日誌」)

弱音に於いて著しくテンションが下がるのがオケの弱いところ。Respighiの作品を取り揃えて全部聴けるというのが価値なのでしょう。編成にオルガンが抜けている?とか。(2020年8月「音楽日誌」)

 ・・・散々な言い種。2枚目以降の存在は忘れてしまって久々の拝聴でした。組曲「鳥」(Gli uccelli)は1927年の作、二管編成+ハープ、チェレスタが入ります。バロック時代昔の作品をリメイクした爽やかな作品、ちょうどStravinskyに於ける「プルチネルラ」みたいな感じ?これは意外と有名、自分も以前より愉しく聴いておりました。20年以上前の素朴なコメント有

 Preludio「Allegro moderato」(3:05)ーLa colomba(鳩 Domenico Galloによる)「Andante expressivo」(5:26)ーLa gallina(牝鶏 Jean-Philippe Rameauによる)「Allegro vivace」(3:14)ーL'usignuolo(夜鷹 作曲者不明17世紀のヴァージナル作品による)「Andante mosso」(4:27)ーIl cucu(郭公 Bernardo Pasquiniによる)「Allegro」(5:16)。素材が昔の旋律だし、FM放送番組のテーマ音楽にもかつて使われていたから(郭公)誰でも一度は耳にしたことがある懐かしい、穏健な雰囲気に充ちて、キラキラ宝石が輝くような名曲。

 ローマ三部作は金管先頭に近代管弦楽の成果を競うようなデーハーなオーケストレーション、オケの技量もモロに出るけれど、こんな穏健静謐しっとりな作品なら安心して作品を堪能できました。音質も良好。もしかしてリンドン・ジー以来の作品拝聴だったかも?

 問題は残り2作品。題名も初耳、弦楽のための組曲 P41はSalvatore Di Vittorio(1967-伊太利亜)による復元となっていて、作品成立の情報は探せません。弦楽によるちょっぴり哀しげ、静謐な組曲は Ciaccona(9:16)-Siciliana(6:03)-Giga(3:05)-Sarabanda(5:57)-Burlesca(4:00)-Rigaudon(4:00)からなる落ち着いて保守的な作風。これも上記組曲「鳥」同様、遠く懐古趣味的な伊太利亜バロックが香る、美しき泣ける哀愁浪漫なセレナーデでっせ。フランチェスコ・ディ・ヴェッキアはヴァイオリニスト、極上に艷やかな弦楽アンサンブルは魅惑でした。

 組曲ト長調 P58(弦楽とオルガンのための)はバロック風情が強まって、 ほとんどオルガン協奏曲風。湧き上がり気分が浮き立つように躍動するPreludio(4:27)、静謐な詠嘆に暮れるAria(5:55)、途方に暮れたように哀しいPastorale(6:37)、ラスト朗々たるオルガンのコラールに始まるCantico(6:25)にて堂々と締めくくる、隠れた名曲に感銘を受けました。音質も上々です。

(2020年5月8日)

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written by wabisuke hayashi