Respighi 「ボッティチェルリの3枚の絵」/Martinu シンフォニエッタ「ラホヤ」
(ヴァルタ/ジリナ国立室内管弦楽団(スロヴァキア))


POINT CLASSICS	 2671852
Respighi

「ボッティチェルリの3枚の絵」(1927年)

Martinu 

シンフォニエッタ「ラホヤ」(室内管弦楽とピアノのための)

ヴァルタ/ジリナ国立室内管弦楽団(スロヴァキア)/ジンゲロヴァ(p)

POINT CLASSICS  2671852  録音年不明 500円で購入

 本屋でCD付き910円という「クラシック・コレション」というのが出ていて、そのCDを担当しているレーベルがPOINTなのです。この場を借りて訴えますが、このシリーズは絶対に買ってはいけない!じつは2・3枚買ってみたのですが、どれもこれも大外し(演奏・音質とも)でほとんど手元に残していません。「安けりゃいい」というものではなくて、安物買いには選球眼が必要なのです。
 (と、力んでいましたが、その後メールで詳細情報をいただくと、意外と捨てがたい録音もあるらしい。マニアックな幽霊団体録音も多いとのこと。)

 POINTはそれなりに以前から知っていて、数年前にはBrucknerの交響曲第2番(ザナテルリ/南ドイツ・フィル)を個人輸入したこともあります。(即売払)ここ数年電気屋さんなどで、500円くらいで売られていますが、このCDは選りに選って、悩みに悩んで2枚のみ買ったうちの一枚でした。

 ジリナ室内管は、FMで何度か聴いたことがあって、スロヴァキアの団体のはず。このCDの収録はわずか46分ですが、収録曲が珍しい。

 Respighiは、有名なローマ3部作の味わいに似た華やかな曲。ピアノとハープの使い方が効果的で旋律の美しい曲です。木管の細かい音形に乗って、弦がゆったりと歌いながら盛り上がっていく第3部なんか最高。

 名曲と思いますが、なかなか手に入らない貴重な曲でしょう。手元の資料を見ても(ちょっと旧いけど)国内盤はあまり見たことはない。演奏は意外としっかりとしていて、無名の団体とそうバカにできません。木管は意外と美しい。ちょっと粗っぽいけど、迫力もあります。

 録音は高音が刺激的で肌理が粗く、そうとう聴くのがつらい。響きに厚みはありますが、濁って少々聴き辛い。

 Martinuは、かなり以前にFM放送で聴いて探していた曲のひとつ。

 気まぐれで、リリカルで、ユーモラスな旋律の宝庫。切り詰められた響き。木管のおどけるような高音で飛躍する旋律から始まって、まるでピアノ協奏曲のようにピアノが活躍します。朗々としたトランペットも美しい。こんなマイナーで素敵な音楽を、廉価盤で手に入れる喜び。Respighiは大衆ウケする作風でしょうが、Martinuの玄人好みの味わいも捨てがたい。

 録音は、Respighiと同じ演奏家とは思えないほど、かなりすっきりとした響きになっているのは曲のせい?躍動するノリとリズム。音の濁りもありません。

 ジリナ国立室内管の録音は、他では見たことはありません。DDDなんて書いてあるけど、あてになりませんね。但し、実在の団体であるのはたしか。ジャケットのデザインはなかなか。


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written by wabisuke hayashi