Ravel 逝ける女王のためのパヴァーヌ/スペイン狂詩曲/道化師朝の歌/ダフニスとクロエ第2組曲
(マニュエル・ロザンタール/パリ・オペラ座管弦楽団1957-59年)/
水の戯れ/スカルボ(ジャン・ドワイヤン(p))/マ・メール・ロワ(フェヴリエ/タッキーノ(p))
Ravel
逝ける女王のためのパヴァーヌ
スペイン狂詩曲 「夜への前奏曲」「マラゲーニャ」「ハバネラ」「祭り」
道化師朝の歌
ダフニスとクロエ第2組曲
マニュエル・ロザンタール/パリ・オペラ座管弦楽団/フランス国立放送女声合唱団(1957-59年)
水の戯れ/スカルボ(「夜のガスパール」より)
ジャン・ドワイヤン(p)(1960年)
マ・メール・ロワ(4手のための)
ジャック・フェヴリエ/ガブリエル・タッキーノ(p)(1971年)
ACCORD 461 735-2 2枚組 1,680円のうちの一枚
2006年に更新し、そのうちもう一枚も、なんて7年経過。爾来2回めの転勤を控えております。久々の拝聴は、個性とか風情とか粋とか、メカニカルな最低限水準は前提として、それだけに留まらぬ大切なものを(たっぷり)感じさせてくださいました。こどもの頃の刷り込みもあって、アンセルメ辺りけっこう好きですもんね、いまでも。録音のマジック?かなり草臥れているし、太古モノラル録音でも印象は変わりません。ここでの管弦楽担当はロザンタール、Ravel 直系の弟子筋、経歴はジミやなぁ。しかもパリ・オペラ座(現パリ・バスティーユ)のオーケストラというのがなんともソソる(本場っぽい)組合わせであります。
冒頭「パヴァーヌ」に於ける遣る瀬ない、セクシー、エッチ官能的なヴィヴラート満載!ホルンにノックダウン。他の木管だって同様、しっとりニュアンスたっぷりな弦にのって幽幻であります。まさにヴェリ・ベスト。しっとりした心情を維持したまま「水の戯れ」(ドワイヨン)へ、気紛れに姿を自在に変える儚い水の風情が漂いました。静謐な心情のままスペイン狂詩曲〜「夜への前奏曲」の気怠い、静謐濃密な世界へ・・・この繊細なる雰囲気も尋常に非ず。
「マラゲーニャ」「ハバネラ」と徐々にリズムは西班牙色を深めて揺れ動き、妖しい静謐の支配は崩れない。オーケストラの響きは薄く軽妙、儚げであり、フルートのヴィヴラートにしびれます。「祭り」にて初めて大音響が鳴り響くけれど、中間部コールアングレのソロでは(例の)気怠い妖しさが回帰いたしました。1950年代後半とは思えぬ(かなり)優秀録音也。カスタネットの存在感もしっかり。賑々しく徐々に熱を増して集結したところに「道化師」登場。なんともユーモラス+ちょっぴり後悔(朝帰り?)吹き飛ばすような、陽気な音楽であります。このハジけぶり、メリハリも凄い!いかにも難しいそうなトランペットは、ちょっぴり細部怪しい感じないでもないけど。
「マ・メール・ロワ」って、童話だから親密な4手ピアノが似合っていると思います。そういえば演奏会に行ったよなぁ、管弦楽も素敵だけれど、こちらのほうがいっそう作品の緻密な真髄やらニュアンス、陰影しっかり感じ取れると思います。フェヴリエ、タッキーノ両者とも仏蘭西往年の名人也。これも静謐繊細、第5曲 妖精の園(Le jardin feerique)には万感胸に迫る、華やかなフィナーレが待っておりました。ドワイヨンによる「スカルボ」(小悪魔?)は怪しい雰囲気満載なる超絶技巧作品也。鮮やかに破壊的、切れ味たっぷり演奏であります。
ラスト「ダフニス」第2組曲。この作品を聴くたびRavel はイッっちゃったな、こんな細密管弦楽技法駆使して、トンでも音楽作ったと感慨深い。これはちょっぴり音質落ちる(擬似ステレオかも)かな?会場空間はよく捉えられていると思いますよ。響きはあくまで軽妙、明るく盛り上がってこの一枚を締めくくりました。いかにも寄せ集め音源なる2枚だけど、作品配列演奏家もよく考えられた、立派なものだと思います。デザインに使われた、モディリアーニも内容にぴたり!。 (2013年2月17日)
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