Ravel 管弦楽作品集
(ピエール・デルヴォー/コンセール・コロンヌ)


Command Classics CC 11005 SD NM Ravel

スペイン狂詩曲
バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲
ラ・ヴァルス
道化師朝の歌

ピエール・デルヴォー/コンセール・コロンヌ/合唱団

写真はLP Command Classics CC 11005 SD NM→ネットより音源入手

 相変わらず後ろ向きに懐古趣味ばかり、昔の音源を聴いております。Pierre Dervaux(1917ー1992仏蘭西)はオペラとか南仏蘭西、加奈陀の仏蘭西語圏で活躍した人だから日本では馴染みは薄かったことでしょう。これは1960年頃の録音か、Concerts Colonneはパリ現役、これも日本じゃあまり知られていないオーケストラ、この録音当時デルヴォーが総監督でした。数年前の「音楽日誌」コメントでは

旧米COMMAND録音。音質かなり良好。EMIにいくつか録音のあったデルヴォーの魅力は特別です。淡く明るい華やかな響き、ややラフなアンサンブル、一昔前のお仏蘭西なサウンドそのままに粋な雰囲気満載。最近とんと噂を聞かぬコンセール・コロンヌもそう”上手い”オーケストラじゃないけど、なんとも云えぬ味がありますよ。音質もかなり良好。
 若く貧しかった頃、というか、ほとんどこども時代からLP廉価盤にて「デルヴォー/コロンヌ」は馴染んでおりました。若い頃の刷り込みは一生モン、ややオン・マイクな音質も鮮明に”仏蘭西音楽はこうじゃなくっちゃ”みたいな感慨に耽っておりました。スペイン狂詩曲は気怠くも情緒溢れる妖しい作品、Prelude a la nuit(夜への前奏曲4:13)−Malaguena(マラゲーニャ2:00)−Habanera(ハバネラ2:39)ーFeria(祭り6:21)。腰のカルいサウンドは華やか、西班牙のリズムを軽快に刻んでラスト、祭りの賑々しい喧騒に向けて盛り上げていく手腕のたしかなこと。

 「ダフニス」の出足、細かい音符(木管)の繊細緻密なこと!音色は軽妙かつ明るく、明らかに独墺系とは異なるテイストでしょう。弦が意外にもしっとり歌って絶品!そこに遠く、雰囲気たっぷりに合唱が参入する・・・もちろん金管も腰のない輝かしさ、木管ソロは定位やら奥行き感がおかしいけれど、出番では前面に自己主張してわかりやすいもの。木管はエッチな色気あるヴィヴラート最高。ラスト「全員の踊り」への盛り上げも上手いけれど、どことなく微妙にアンサンブルがヤワなのも味わいか。(17:51)

 これが「ラ・ヴァルス」に至って、いっそう雰囲気妖しさ気怠さ増して絶品。自在にテンポは揺れて、リズムのつっかかりは強調され縦線はぴたり!とは合わない・・・けれど、きっりち几帳面な「ラ・ヴァルス」になんの意味があるでしょうか・・・と、ここまで書いて、こんな作品はきっちり演ってこそ、作品のおもろさ、羽目の外し方が理解できると(かつて)主張したことを思い出しました(13:06)「道化師の朝の歌」って、朝帰りの道化師?やたらと賑々しい西班牙の(フクザツな)リズムが強調され、表情のオーバーな変化、オーボエやトランペットは絶品の華やかさでした。(7:23)

(2019年11月10日)

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written by wabisuke hayashi