Pops Concert Favorites(ルネ・レイボヴィッツ)


ReDiscovery RD 125 Wagner

楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲(1962年)*

Boccherini

メヌエット(弦楽五重奏曲ホ長調G275第3楽章)

de Falla

火祭の踊り

Waldteufel

スケーターズ・ワルツ(1961年)

Saint-Sae”ns

序奏とロンド・カプリチオーソ(レイモンド・コーエン(v)1962年)*

Delibes

間奏曲(バレエ音楽「ナイラ」より)

Gilbert & Sullivan

喜歌劇「軍艦ピナフォア」序曲(1961/62年)

Grieg

過ぎた春(1961/62年)*

Dinicu

ホラ・スタッカート(1961/62年)

Ibert

寄港地(1961/62年)$

Chabrier

狂詩曲「スペイン」(1960年)$

ルネ・レイボヴィッツ/ロンドン新交響楽団/ロイヤル・フィル*/ローマ・フィル$

ReDiscovery RD 125 ネットより入手音源

 Rene Leibowitz (1913-1972波蘭出身パリで活躍)はピエール・ブーレーズとかテオドラキス、ピアニストのクロード・エルフェなどの師匠筋に当たる人、作曲家、教育者、新ウィーン楽派の紹介者としてとして活躍したそう。そしてマイナー・レーベルに多くの録音を残して、かつて廉価盤LPに登場しておりました。現代音楽では喰えんからアルバイトだったのか、モノラルーステレオ初期に意外と状態のよろしい音源が揃って、Beethovenの交響曲全集は”新しすぎる”見事な演奏でした。Scribendumより13枚組ボックスが出ておりました。

 これはネットより入手した、かなり無定見な寄せ集め選曲、オーケストラもバラバラ、ロンドン新交響楽団は1915年に設立され、一時「ロイヤル・アルバート管弦楽団」として活動、1950年代以後録音専門になったらしい。ローマ・フィルというのも録音専門っぽい感じ。かなり鮮明な音質、リーダーズ・ダイジェスト録音?であれば英DECCAのケネス・ウィルキンソンが担当していたはずです。初耳っぽい作品はDelibes 間奏曲、Gilbert & Sullivan 喜歌劇「軍艦ピナフォア」序曲くらい?あとは誰でも知っている馴染みの作品ばかり、オーケストラはどれも好調。

 速めのテンポ、鳴りきった金管が颯爽とカッコ良い「マイスタージンガー」、しっとりと上品な佇まいの「メヌエット」、「火祭の踊り」はテンションの高いもの。優雅かつポップな「スケーターズ・ワルツ」、この作品に限らずEmile Waldteufel(1837ー1915仏蘭西)はどれもステキでっせ。”オーケストラはどれも好調”なのは間違いはないけれど、ロイヤル・フィルのほうが鳴りがよろしい感じ。Raymond Cohen(1919ー2011)は当時のコンマス(在任1959-1965)技巧派がバリバリ弾く風情に非ず、「序奏とロンド・カプリチオーソ」は品のある抑えたソロであります。

 Delibes 間奏曲(3:26)も優雅デリケートなワルツ、Gilbert & Sullivan 喜歌劇「軍艦ピナフォア」序曲(4:09)はなんというか大衆活劇風にぎやかなリズムでした。「過ぎた春」はこれ以上ない!ほど哀愁に胸を締め付け”泣ける”弦楽アンサンブル (ロイヤル・フィルの弦は盤石でっせ)「ホラ・スタッカート」はヴァイオリン、トランペット・ソロ、超絶技巧披瀝に使われる滅茶苦茶愉しい”大衆的ユーモラス”作品。レイボヴィッツは流さず、細部きちんと仕上げておりました。

 残りはローマ・フィル登場。「Escales」は近代仏蘭西の名曲(初演は1924年ポール・パレー)第1曲「ローマ ― パレルモ」第2曲「チュニス ― ネフタ」第3曲「バレンシア」からなる17分ほど、変幻自在優雅な曲想を表現するに充分な技量であります。ラストは狂詩曲(先人の名訳を称賛したい!)「スペイン」〜躍動する”シャンパンの泡”でっせ。

(2018年12月9日)

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written by wabisuke hayashi