”8 Popular Overtures”
(エンリケ・バティス/ロイヤル・フィルハーモニック)
Handel
シンフォニア「シバの女王の到着」(オラトリオ「ソロモン」より)
Beethoven
序曲「レオノーレ」第3番
Mendelssohn
演奏会用序曲「ヘブリーデス」(フィンガルの洞窟)
Brahms
大学祝典序曲
Mozart
歌劇「フィガロの結婚」序曲
Schubert
劇音楽「ロザムンデ」序曲
Rossini
歌劇「どろうぼうかささぎ」序曲
Berlioz
序曲「ローマの謝肉祭」
エンリケ・バティス/ロイヤル・フィルハーモニック
ASV CD QS 6076 (p)1985 ディジタル録音表記
これは”ウヒヒ”な一枚ですなぁ・・・有名どころではあるが、久々に無定見というか、前後見境なしに収録しました、的ごった煮状態収録。 ・・・だけれど、ある意味見事な統一感がありまして、つまり冒頭からラストまですべて元気いっぱい、溌剌明快(いえいえ滅茶苦茶明るい!)陰影皆無、どこからでもいらっしゃい、って、少々やかましいくらい元気であって、これが所謂”爆演系”と呼ぶべきものでしょうか。一度聴いたら、んもうしばらくエエですわ、的感慨に溢れました。(「音楽日誌」2006年5月より)
入手8年経過、ケースを開けるとCD印刷面変色(データ面は大丈夫/これは購入時より)、ケースにはBOOK・OFF@250(税込)の値札有。CD在庫は当時の1/3程に減りました。こういった名曲詰め合わせ!的存在は現在、ほとんど見かけない、家庭での需要はなくなって、音楽の聴き方も変わったのかも。LP時代、一般教養として”このくらいの作品は知っていないと”的、ちょいとお金持ち風インテリアとして立派な、巨大オーディオセットはリビングに配置、みたいなことは”昭和の風景”になりました。
これは作品収録的にはいろいろでもエンリケ・バティスの一気呵成演奏にて収録、という(それなり)統一感有。当時、これが所謂”爆演系”・・・んもうしばらくエエですわ”〜そんな失礼な感想を抱いているけれど、数年を経たら別に特別”爆演系”に非ず、元気いっぱい、溌剌明快(いえいえ滅茶苦茶明るい!)陰影皆無というのはあながち的外れではなかった、と聴きました。音質良好。プロデューサー・エンジニアはブライアン・カルヴァーハウスと明記されているのに、肝心の収録日時場所情報がない、というのも残念な英国製CD也。
選曲はバロックから古典、初期浪漫派に至る多彩かつ著名なものばかり。RossiniもBerliozも概ねBeethoven (1780-1827)生誕100年辺りに亡くなっているんですね。Schubert 逝去はBeeやんの一年後、Mendelssohnは次世代だけど早世しました(1809-1847)。冒頭のHandel のみ少々前時代(1685-1759)ということになるでしょう。結果、この選曲はほぼ”Beethoven 時代”の作品となっておるのですね。閑話休題(それはさておき)
「シバの女王の到着」の賑々しい、華やかな躍動、演奏会の冒頭を飾るには「フィガロ」序曲と双璧効果的作品!各々3分台という短さも理想的でっせ。おそらくロイヤル・フィル首席指揮者不在時の頃と想像するけれど、オーケストラのアンサンブルはけっこう絶好調、キレがあってノリノリの演奏です。続く「レオノーレ」も同様の趣向、Beeやんにしては少々軽量っぽいけれど、これがエンリケ・バティスの個性でしょう。
「ロザムンデ」序曲って、交響曲第9番ハ長調第1楽章「Andante. Allegro ma non troppo」最終盤によう似ておりませんか。(当たり前か)正直なところ、次の「どろぼうかささぎ」序曲も含め、あまり好きな作品じゃなかったけれど、ノリノリの作品+演奏の勢い連続に押され、なんかとても楽しい。ウキウキした気分に至りました。
序曲「ローマの謝肉祭」ってBerlioz作品中一番人気、演奏機会も多いんじゃないか。(幻想交響曲は大曲ですから)これぞ全体を締めくくる”キレがあってノリノリ”演奏が一番似合う作品であります。けっして異形なデフォルメを伴う”爆演”に非ず。 (2014年9月14日)
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