Mozart ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調K.482/
第27番 変ロ長調K.595/ロンド ニ長調 K.382
(アルフレッド・ブレンデル(p))


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Mozart

ピアノ協奏曲第22番 変ホ長調K.482(ウィーン室内管弦楽団/1967年)
ピアノ協奏曲第27番 変ロ長調K.595(ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団)
ロンド ニ長調 K.382(ウィーン交響楽団)

アルフレッド・ブレンデル(p)/パウル・アンゲラー指揮

この写真はTurnabaut TV 341219S

 第27番/ロンド ニ長調の録音情報は不明、1960年代前半でしょう。これはThe Complete Vox, Turnabout and Vanguard Solo Recordingsの4枚目、BRILLIANT 93761  35枚組総経費込5,400円ほどAlfred Brendel(1931ー)の若い頃の録音は大好き、芯のあるデリケートなピアノをしっかり感じさせる音質はまずまず、作品拝聴に差し支えない程度。ウィーンの団体を使った伴奏はどれも素朴な味わいに響きました。

 Mozartに駄作なしを前提に、とくにお気に入りピアノ協奏曲中、ここ最近とくに感慨深い変ホ長調協奏曲K.482。クラリネットもティンパニも入って典雅に着実な歩みを感じさせる第1楽章「Allegro」伴奏からピアノが参入して、ウキウキと誠実なタッチと愉悦を感じさせました。(12:44)第2楽章「Andante」は深淵なる哀しみを湛えた変奏曲。しっとり浪漫なタッチがデリケートに揺れ動いて、中間部の管楽器アンサンブルはひときわ感銘深い一条の光でした。(8:53)第3楽章「Allegro」は映画「アマデウス」朝帰りの場面。浮き立つような、そして落ち着いたリズム感が躍動いたします。中間部の落ち着いて名残惜しい風情、クラリネットが胸を打ちました。力強いカデンツァは誰のですか?(12:17)

 変ロ長調協奏曲K.595、このラストピアノ協奏曲は達観して解脱しきった風情、作品の淡い情感を際立たせる演奏でした。伴奏にはクラリネットもティンパニもありません。音質はやや落ち。第1楽章「Allegro」シンプルに落ち着いた主題が淡々と歌って、途中不安な陰りも見え隠れしつつ落ち着いた情感が深まります。(14:31)第2楽章「Largehtto」はもう晩年の清明な境地に至って、淡々と雑念のないピアノ静かにつぶやいて静謐、遠い過去を眩しく思い出すように懐かしくも清廉な緩徐楽章。(8:01)第3楽章「Allegro」は歌曲「春への憧れ」K.596と同じ旋律、まるで散りゆく桜を眺めるような儚い哀しみと、微笑みを湛えておりました。ブレンデルのていねいなタッチに弱さ、いささかの曖昧さもありません。(9:07)

 ロンド ニ長調 K.382はピアノ協奏曲第5番ニ長調 K.175 フィナーレの書き替え版とのこと、主題はJ.C.Bachとのこと。これはその昔、FMの音楽番組のテーマに使われたもの。典雅な変奏曲は唯一無二の愉悦を感じさせて、比類のない傑作。(5:44-2:16-2:08)

(2024年6月29日)

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written by wabisuke hayashi