Mozart セレナード ニ長調K.250「ハフナー」/
アイネ・クライネ・ナハトムジーク (カール・ミュンヒンガー)
Mozart
セレナード ニ長調 K.250「ハフナー」
ウィーン・フィル/ウィリー・ボスコフスキー(v)(1960年)
セレナード ト長調 K.525「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」
シュトゥットガルト室内管弦楽団(1960年)
カール・ミュンヒンガー
London SLC2248
Karl Mu"nchinger(1915-1990独逸)は、アーベントロートの弟子筋とか、LP時代バロック・ブームを支えた往年の名指揮者。レパートリーは主に独逸バロックから古典派だったのでしょう。古楽器隆盛の現在、ちょっと忘れられた人になりました。英DECCA録音は21世紀に現役水準でした。
「ハフナー・セレナーデ」は古典的二管編成(チェロの指定はないそう/実演では演奏される)ティンパニを加える版もあるそうな。愉悦に充ちた晴れやかな表情に愉しい作品ですよ。1988年の再録音も存在します。もちろんモダーン楽器演奏、ちょっと大柄だけど時代錯誤なMozartに非ず、優雅にかっちりと生真面目に歌って名手Willi Boskovsky(1909-1991墺太利)のソロも美しく清楚な音色でした。
勇壮にカッコ良い第1楽章「Allegro maestoso - Allegro molto」から始まって、現在の感覚からはちょっと重いけれど、ちょっと堅苦しい几帳面にリズムを刻んで瑞々しい響き、ヴィヴィッドな勢いは充分でした。スケールも大きい。(6:38)
第2楽章「Andante」。ここからはヴァイオリン協奏曲*。優雅な緩徐楽章は浮き立つようなヴィオリンが華やかに、優しく歌ってちょっぴり線は細い感じ。フルートの音色がとても深い。(8:37)
第3楽章「Menuetto」*ここはちょっぴり暗いリズムを刻むメヌエット。ト短調交響曲K.550に似てますね。中間部は明るいヴァイオリン・ソロに、ホルンが絡み合って雰囲気はガラリと明るく牧歌的に変わりました。(4:02)
第4楽章「Rondo: Allegro」*は誰でも知っている、ノリノリのヴァイオリンが爽快に疾走する細かい音型。ヴァイオリン・ソロとオーケストラの掛け合いは息が合って、木管もホルンも夢見るように立体的な美しい合いの手を入れております。途中、暗転して崩れて陰影際立つ魅惑のRondo。(7:40)
第5楽章「Menuetto galante」*やや大柄なリズムを刻んで、やや重い足取りの行進曲。中間部は寂しいけど優雅、ちょっぴり昔風テイストでした。(5:08)
第6楽章「Andante」も優雅に”大きな”陰影豊かな表情付け。オーボエがしみじみ美しく絶品。(7:19)
第7楽章「Menuetto」ここも力感溢れる力強い行進曲。前楽章含め、ちょっと強面に四角四面な印象もあります。フルートは優雅に、途中のラッパがいかにも軍楽隊調。(3:49)
第8楽章「Adagio - Allegro assai」ゆったりとした始まりはまるで、感無量のフィナーレ締め括りの情景でした。そして短く、潔く弾む愉悦のうちに終了。(2:55)
名曲中の名曲「アイネ・ク」こそ小学生5年生だった自分をClassic Musicの世界に誘った晴れやかな作品、そして17cmLPを親にねだってもらったものがこの演奏でした。(フィル・アップは「G線上のアリア」)ウィーン・フィルに比べるとぐっと小編成に引き締まった響きは、落ち着いたテイストでした。
Allegro(4:19)Romanze(5:05)Menuetto(2:16)Rondo: Allegro(2:55) (2025年5月3日)
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