Mozart セレナード第7番ニ長調K.250「ハフナー」/
第6番ニ長調K.239「セレナータ・ノットゥルナ」
(チャールズ・マッケラス/プラハ室内管弦楽団)


TELARC PHCT-5257 Mozart

セレナード第7番ニ長調K.250「ハフナー」
セレナード第6番ニ長調K.239「セレナータ・ノットゥルナ」

チャールズ・マッケラス/プラハ室内管弦楽団

TELARC PHCT-5257  1984年録音

 Charles Mackerras(1925-2010濠太剌利)の録音にハズレはありません。TELARCの録音も残響豊かに万全。編成はさほどに小さい感じではありません。プラハ室内管弦楽団とはMozart交響曲全曲を録音しておりました。

 傑作揃いのセレナード中の最高峰と云えばこれ!ニ長調K.250「ハフナー」。愉悦に充ちた名曲中の名曲。第2楽章「Andante」第3楽章「Minuet」第4楽章「Rondo: Allegro」はヴァイオリン協奏曲として成り立って、それ以外の5楽章を交響曲としてMozart自身が編曲しているそう、ニ管編成にティンパニはないはずだけど、それを加えた版ですか?ここでは交響曲部分にいくつかその存在感を発揮しております。クリストファー・ホグウッド全集には収録されているらしいからあとで確認してみましょう。

 シアワセな情感が湧き上がるような第1楽章「Allegro maestoso」から陰影豊かに、力感のある響き、快活にヴィヴィッドなリズム感に始まりました。(6:55)優しく語り掛けるような第2楽章「Andante」。ヴァイオリン・ソロはOldrich Vlcek(1939-捷克)この人はコンマスですか?やや線は細くシミジミと歌っております。(9:51)第3楽章「Minuetto」は暗い激情から始まって、やがてヴァイオリンとホルンとの掛け合いも晴れやかなトリオに至ります。このメヌエットは陰影際立って、ト短調交響曲K.550第3楽章「Menuetto(Allegro)」にも似ております。(3:41)

 第4楽章「Rondo. Allegro」はヴァイオリン・ソロの細かい音型はしっとりデリケート、軽快に走り出して、ウキウキ沸き立つような風情は一番人気。クライスラーの編曲で有名でしょう。ラスト辺りのカデンツァもおみごと。ここもちょっぴり暗転がいかにもMozartらしい魅力、フルートも印象的に深い音色でした。(8:42)第5楽章「Minuetto galante」はシンプルに元気良くリズムを刻む3/4拍子、ティンパニが効いてますね。中間部の寂しげな暗転もおみごと。(5:38)第6楽章「Andante」はゆったりと歩むように、そしてけっこう雄弁。優雅なやすらぎに溢れてオーボエやホルンがが際立ちました。(8:12)第7楽章「Minuetto」はシンプルに溌剌としたリズムを刻んで元気がよろしいHaydn風味。ティンパニが躍動します。管楽器の呼び交わしも美しい。(4:33)第8楽章「Adagio - Allegro assai」ラストは名残惜しくも静かに優雅に始まり、そして歓喜の疾走が待っておりました。(6:11)歯切れのよろしい清潔なアンサンブルはヴェリ・ベストの手応え。

 ほんの短いニ長調セレナーデK.239は異色な編成、2群の弦楽アンサンブルとティンパニで構成される作品。まるでバロックの合奏協奏曲風、ここではティンパニの存在感が光りました。(4:20-3:42-4:23)

(2024年4月6日)

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
written by wabisuke hayashi