Beethoven 交響曲第2番ニ長調/第4番 変ロ長調
(ピエール・モントゥー/北ドイツ放送交響楽団)


fnac music   642302  VM321 Beethoven

交響曲第2番ニ長調 作品36
交響曲第4番 変ロ長調 作品60

ピエール・モントゥー/北ドイツ放送交響楽団

fnac music 642302 VM321 1959年(コンサート・ホール・レーベル)録音 古800円で購入。

 Beethovenの交響曲は溜まるばかり。格安で見かければ、財布を開けたくなる。現金がなければカードで・・・・、これでもずいぶんガマンしているつもり。聴けば必ず新鮮な発見がある。ほんとうはモントゥーのDECCA録音の第1〜8番までのCDは欲しくてたまらない。手元にあるのは、このCDと第9番のみ。(悔しい)

 例の如しで、このCD音質がよくない。奥行きも残響が足りない、細部が聴こえない、ときどき音が濁る・・・・それでも北ドイツ放響の優秀さはちゃんとわかります。この録音当時は、まだシュミット・イッセルシュテットが現役だった時代のはず。ここ最近、ヴァントで名を上げているこのオーケストラは、「ベルリン・フィルより上」と評価する人がいるくらいの実力派。

 傑作揃いの6曲のなかで、ひときは青春の爽やかな息吹を感じさてくれるニ長調交響曲。80歳くらいの爺さんが指揮しているとは思えないくらい、溌剌としてノリノリの演奏。若々しくて、聴いていてウキウキしますね。アンサンブルは優秀なのはもちろんだけど、このオーケストラがこんなに暖かい音色で鳴っているのは珍しいかも。響きが明るいのは、モントゥーの力に間違いなし。

 弦の厚い響き、管楽器群の抜群の表現力、自発性。どこにもムリのないテンポ設定、大昔に録音されたとは信じられないくらいの現代的なセンス。

 クライバー以来わりと人気の第4番。第2番に負けず、明るく希望にあふれた名曲。リズム感がはっきりとしていて、明快な演奏ぶり。重くならず、明るい響きはここでも健在で、全奏の充実した迫力と、弱音の繊細さの対比はピカイチでしょう。木管の美しさが際だちます。

 スケルツォの爆発を聴いていると、遠くBrucknerまで、まっすぐにつながっていることが理解できるような気がしました。

 終楽章はけっこう早いテンポで、ここを無理なく聴かせてくれるのはたいしたもの。例の快速ファゴットも難なくこなします。細かいリズムは躍動していて、最後まで集中力はとぎれません。老人はいつまでもこう粋であって欲しいもの。

 最晩年、北ドイツ放響との録音で残された、「幻想交響曲」「チャイコフスキー交響曲第5番」「ハフナー交響曲+39番」「ロシア音楽」「Wagner管弦楽作品」はどれも注目すべき演奏です。ただし、音はよろしくないのは覚悟のこと。

(2000年5月4日更新)


香港在住のKANETAさんに「fnacってフランスの大手CDのチェーン店だよ。日本で云えば新星堂みたいなところがCDを出している」とのこと。情報ありがとうございました。


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written by wabisuke hayashi