Mendelssohn ヴァイオリン協奏曲ホ短調/
Bruch ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調/
Glazunov ヴァイオリン協奏曲イ短調 (ダヴィッド・オイストラフ/イーゴリ・オイストラフ)
Mendelssohn
ヴァイオリン協奏曲ホ短調
キリル・コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団(1949年)
Bruch
ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調
イーゴリ・オイストラフ(v)/ダヴィッド・オイストラフ/ロイヤル・フィル(1961年)
Glazunov
ヴァイオリン協奏曲イ短調
キリル・コンドラシン/ソヴィエット国立交響楽団(1948年)
ダヴィッド・オイストラフ(v)
DG The David Oistrakh Edition 479 6580/7
写真は息子IgorのソロによるBruch、ちょっと珍しい音源を挟んで、旧ソヴィエット時代のモノラル録音は予想外に状態がよろしく、David Oistrakh(1908-1974烏克蘭)の豊満にマイルドな美音をたっぷり堪能できました。現代の感覚だとこの辺り旧ソヴィエット世代は皆、ほとんど残念な短命でした。呑み過ぎかな?
誰でも知っているMendelssohnは甘美な旋律に一気呵成、流れも自然にたっぷり肉付きよろしく瑞々しいフレージングは惚れ惚れするほど美音。慌てず、神経質にならず、浪漫の世界をしっとり歌いました。コンドラシンのバックも入念な合わせぶり。1949年の音質はもちろんモノラル、作品を味わうのにさほどに支障もありません。楚々とした哀しみが走る第1楽章「Allegro molto appassionato」(13:24)第2楽章しっとり落ち着いて纏綿切々と歌う「Andante」(7:39)第3楽章「Allegretto non troppo - Allegro molto vivace」名残惜しい切なさから破顔一笑、快活上機嫌に疾走いたしました。驚異の美しいボウイング、スムースな技巧。(6:32)
Bruchは Igor Oistrakh(1931ー2021烏克蘭)ソロによるDGステレオ録音は30歳の記録。これも浪漫な旋律たっぷりの情熱的名曲、躍動するソロの重音が最大の聴きどころでしょう。音質もよろしいし文句なし流麗入念な技巧だけれど、親父の陰影たっぷり緩急自在の技を聴いてしまうと、やや生真面目さを感じるかも。第1楽章「Allegro moderato」は浪漫の旋律が懐かしく、音質にも恵まれてオーケストラの絡みは効果的。(8:27)第2楽章「Adagio」は切々と夕暮れのような寂しさが漂って、雄弁。(8:34)第3楽章「Finale: Allegro energico」ここがソロの重音がもっとも効果的に怒涛のラッシュ。そして爽やかな旋律が胸を打ちました(7:04)
Glazunovはハイフェッツの乾いた快速演奏で出会った作品。音質状態はちょっとソロ中心に、オーケストラが遠いけれどまずまず。こちら中庸のバランス、落ち着いた歌に溢れて、遣る瀬なく水も滴るような蠱惑のヴァイオリン。ハープが切なく絡む第1楽章「Moderato」(4:39)第2楽章「Cadenza : Andante sostenuto」Cadenzaは超絶技巧(10:51)第3楽章「Allegro」のピチカートのテクニックは驚くほど、晴れやかな締めくくりに向けて、途切れなく演奏されました。(5:37) (2025年3月1日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
▲To Top Page.▲
|