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ポータブルMDで音楽を聴く


 ときどき東京へ出張します。住みたくはないが、たまに情報をもらいに行きたいところ。でも、人は多過ぎです。で、今回は出張道中の話し。ワタシの会社では全国から東京に集まる場合、岡山が一番遠いんです。札幌・博多は飛行機でひとっ飛び。岡山は便数が少ないし、空港から自宅まで少々距離もある。結果、新幹線とそんなに違わない。でもカラダはラク。

 前回、思ったよりずっと早く会議が終わったのに、飛行機は予約便の変更がダメで(格安予約だったせいか)2時間も無駄にしちゃいました。で、今回は新幹線に。こういうときに限って、会議はキッチリ長引いてしまうが。週末で思いっきり混んでました。

 TEKNOSという中国製のポータブルMDには、マレーシア製の充電地が付いていて、これがけっこう保つんです。結論から言うとMD3.5枚分。朝の通勤から、東京までみっちり聴けました。ヘッドホンはあまり好きではないが、新幹線では細部まで音が聞こえて便利なんです。


1) Beethoven ヴァイオリン協奏曲ニ長調 〜クレーメル(v)/アーノンクール/ベルリン放送交響楽団(1987年10月25日ライヴ)から。先日聴いたばかりだけれど、ソロもさることながら、アーノンクールのバックが極限に肌理細やかなニュアンスを付けていることが理解できて、胸に染みます。終楽章に入る前の、クレーメルの自由な工夫も発見。

2) Mahler 交響曲第8番(第1楽章)〜シャイー/ベルリン放響/イエルサレム響/エルンスト・ゼンフ合唱団/聖ヘドヴィッヒ教会児童合唱団ほか多数(書ききれない)1987年9月1日(ベルリン・フィルハーモニー・ライヴ)。驚くべき遅いテンポと、クールな表現が特異な魅力を放つ録音。フィッシャー・ディースカウが、いつもの説教臭くも説得力の強い表現でダントツに目立ってしまう。この曲は、唯一Mahler 中苦手としているが、絶叫と混沌の世界さえ避けてくれれば充分楽しめるんです。

3) Mozart 交響曲第36番/Brahms 交響曲第2番〜クライバー/ウィーン・フィル(1988年ライヴ)。ちょっと録音がノイズっぽいのは、エア・チェック・テープが安物だったからか。それとももともとオン・マイクなのかな?とにかく、粗々しいくらい勢い重視の演奏で、べつな曲を聴くかのよう。響きには独特の色気が漂う。+Chabrier「スペイン」〜エーベルレ/フォア・アルベルク響(1990年ライヴ)。音量レベルが低すぎたのと、やはり珍しいだけのあまり上手くないオーケストラが問題か。

4) Sibelius 交響曲第5番/R.Strauss「4つの最後の歌」〜ナガノ/リヨン国立歌劇場管弦楽団/プライス(s)(1988年7月19日ジャッククール宮ライヴ)。涼やかな響きを引き出していて期待を持たせる演奏だけれど、いまひとつキマらない?まだ、難曲Sibelius 攻略には早かったのか。なんとなくいつのまにか結末、といったところ。「4つの歌」ももう少し貫禄が欲しい。でも、気持ちよい演奏です。


 帰りにはMahler 交響曲第8番の残りを聴く予定だったが、疲れで眠ってしまって聴けませんでした。残念。(2002年4月12日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi