Liszt ピアノ協奏曲第1/2番
(スヴャトスラフ・リヒテル/コンドラシン/ロンドン交響楽団)



Liszt

ピアノ協奏曲第1番 変ホ長調
ピアノ協奏曲第2番イ長調

スヴャトスラフ・リヒテル(p)/コンドラシン/ロンドン交響楽団

エールディスク GRN-564 1961年PHILIPS録音  中古250円

 

 これは十数年間に渡って「いつかは買おう」と思っていた馴染みの、しかも定評ある録音。海賊盤でごめんなさい。いや、もうこれはコメント不要のモウレツ情熱演奏でした。ライヴの熱狂的支持を背景に、別途正式録音されたものだと記憶しております。集中力が凄い。瑞々しい!セクシー!Lisztは苦手!なんて有無を言わせぬ怒濤の迫力テクニックの輝き魅力横溢。コンドラシンのバックがまた(良い意味で)濃厚。(CLASSIC ちょろ聴き(25))

 壮絶な演奏を。これは数十年前から知っていたけれど、昨年末ようやく手に入れたもの。硬質で輝かしい音色が強靱で、それは安物の輝きではでない、鍍金(メッキ)じゃないんです。「Lisztが好きとか嫌いとか云々」とか有無を言わせぬ、絶対的な説得力があって目眩しそう。テクニックがどうの、とか評論不能。録音もオーケストラも最高。曲的には第2番がいっそうアツい。(音楽日誌2004年3月)

 ・・・ここまで絶賛しておいて、ちゃんと正規盤買えよな・・・と言われても仕方がない、久々文句なし一枚!Lisztは苦手、と言い続けて幾数十年・・・正直この作品だってそう好みじゃないんです。でも、この演奏なら痺れます。何度でも聴きたい。上記、二回にわたるコメントでこれ以上付け加えることはないが、テクニックが単に「上手い」とか「指がよく回る」という水準を凌駕していて、それは、すべて音楽の美しさに奉仕するために存在するんです。

 「有無を言わせぬ怒濤の迫力テクニックの輝き魅力横溢」「硬質で輝かしい音色が強靱」〜その通り。細部まで正確であること、豊かに歌うことの完全統合。技術が完璧であるからこその、瑞々しい響き。一本ど〜んと、ぶっとい芯が通って盤石の自信と確信有。しかし、余計なるテンポの動きやら、煽りなど存在しません。「Lisztなんてツマらない」って思ってきました。(いまでも時にそう思うこと有)でも、おそらくそれは「Lisztをツマらなく演奏している」ことに過ぎないのでしょう。「展覧会の絵」でもそう思った(とうとうCD買いましたよ)が、リヒテル以外の演奏では、この曲もう聴けない・・・かも。

 印象強烈なるピアノだけれど、華やかで輝かしい音色〜というのでもないんです。ピアノのメーカーはようわからんが、スタインウェイではないはず。こうしてみると第2番イ長調は、浪漫的で叙情的な旋律美しいですね。いくらでも甘く仕上げられそうな作品だけれど、リヒテルはあくまで硬派。真正面攻撃。細部まで細かいニュアンスに欠けることはないが、妙な色気を付加することはないんです。

  録音は信じられないくらい極上でした。コンドラシン指揮のロンドン響は洗練と骨太が共存しております。モントゥー時代、もっとも色気のあった時代なんです。この生気に充ちたアンサンブルは、聴き手を陶酔と官能と興奮の坩堝(るつぼ)に叩き込むこと必定の棲演。別に、新たに一項目立てて更新するほどの新ネタではないが、いやはやとにかく驚愕の時間が過ごせること完全保証の一枚に、是非言及したい思いでいっぱいの更新でした。お粗末。

 リヒテル、だ〜い好き!。(2004年4月14日)


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written by wabisuke hayashi