2014年を振り返ったメールをいただきました


 【♪ KechiKechi Classics ♪】を開始したのが1998年の夏?だっけ。17年経ちました。今では単なる生活習慣(病じゃないけど)、初年度のアクセスはわずか1,500ほど、それでも読者からのメールはアツかったなぁ、現・香港在住のカネタさんはその頃からの朋(ぽん)友でっせ。やがて個人のHPなんて消え去り、ブログ・ブームがやってきてそれも沈静化、ツイッターもSNSさえ下火になりつつあるんだそう。ネットという媒体は人付き合いの形態を変えるのかも知れないけれど、本質というか、底流にあるものは変わらないんじゃないか・・・2014年も押し迫った年末、以下のメールが届きました。

ありがとう。

林さん、

2年前に香港に着任しましたが、前回の駐在時とは違って出張が急に入ることがなくなったので、現在はコンサートによく通っています。平均すると週一といった頻度でしょうか。香港にはHong Kong Philharmonic、Hong Kong Sinfonietta、City Chamber Orchestra of Hong Kong(CCOH)と三つの団体がありますし(他にもあるかもしれません)、リサイタルの類もそれなりにあるので結構充実した音楽ライフを送っています。先月は90歳になるネヴィル・マリナーがCCOHを指揮したコンサートがありました。マリナーは足元は覚束ない感じもありますが、指揮ぶりは元気でテンポが遅いということもありませんでした。まだまだ振れそうな感じでしたよ。香港フィルはこのところ好調で、先々月のマーラーの5番、先月のブラームスチクルスと充実した響きを聞かせています。今月はシュワンターの打楽器協奏曲(指揮はローレンス・フォスター、打楽器はリー・ビャオ)、プロコフィエフの5番(指揮はズヴィーデン)というエキサイティングなパフォーマンスがありました。というわけで、私のConcert of the yearはシュワンターのコンチェルトにいたしましょう。

CDは3点挙げたいと思います。(今年は画像なし→林追加)

NAXOS 85730573月に入院するはめになりましたが、その間iPodで聞くことが多かったのがペトレンコのショスタコーヴィチです。かれのサイクルが高い評価を得ていることは知っていましたが、RLPOは軽量級という印象をずっと持っていたので、食指がのびませんでした。現在のRLPOは立派なオーケストラだと思います。1970年代のグローブスの頃の印象をいつまでも引きずっていてはいけませんね。7番レニングラードと13番のバビ・ヤールのどちらにするか迷いましたが、7番を今年のベストワンといたしましょう。テンポは中庸、充実した響きです。

以前にもとりあげた、Avieから出ているケネス・ウッドのハンス・ガルの交響曲のサイクルも完結しました。忘れられた作曲家ガルの復権にAvieの果たした役割は大きいです。というわけで交響曲の第1番、シューマンの1番とのカプリング。このシリーズはなぜかシューマンの交響曲とカプリングされているので、ガルの全集をそろえるとシューマンの全集にもなるという企画です。オーケストラ・オブ・スワンは小編成のオーケストラなので最初シューマンを聞いたときは違和感がありましたが、今回第1番どうしのカプリングでは違和感も消えて面白く拝聴しました。ケネス・ウッドは今後の活躍が楽しみ。

3枚目はPIANO CLASSICSから出ているAlkanのピアノ曲、ヴィンチェンツォ・マルテンポというピアニスト。今のピアニストは総じてうまいですが、この人はポエティックというか作品の奥行きを出しているように思います。曲はLe Festin d'Esope && Trois Morceau (日本語で何ていうのだろう?)

(2014年12月29日)


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written by wabisuke hayashi