Korngold ヴァイオリン協奏曲ニ長調/Ro'zsa ヴァイオリン協奏曲/
協奏交響曲 作品29より主題と変奏/Waxman カルメン幻想曲
(ヤッシャ・ハイフェッツ(v))


RCA 09026 61752-2 Korngold

ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品33

アルフレッド・ウォーレンシュタイン/ロサンゼルス・フィル(1953年)

Ro'zsa

ヴァイオリン協奏曲 作品24

ウォルター・ヘンドル/ダラス交響楽団(1956年)

協奏交響曲 作品29より主題と変奏

グレゴール・ピアティゴルスキー(vc)/室内管弦楽団(1963年)

Waxman(1906-1967独逸?→亜米利加)

カルメン幻想曲

ドナルド・ヴーアヒース/RCAビクター交響楽団(1946年)

ヤッシャ・ハイフェッツ(v)

RCA 09026 61752-2

 とろり甘美な旋律満載のKorngoldにはけっこう録音が多く、例の如し快速テンポで前のめり、気持ちよく進んでいく演奏であります。問題はRo'zsa(ミクローシュ・ロージャ)でして、映画「ベン・ハー」など担当している映画音楽の大家。この作品はたしかハイフェッツのために作曲されたもので、テイストは大衆的なBartokといったところか。痛快であり、テクニック映えのする素晴らしい作品!演奏!なのに、どーして他の録音はないの?版権の関係でしょうか。ハイフェッツのノリは文句なしの色気に溢れたもの

・・・なんて「音楽日誌」に書いたのはいつだったのか。最近お気に入りMiklos Ro'zsa (1907-1995洪牙利→亜米利加)の作品は録音はあちこち聴けるようになりました。

 Jascha Heifetzas(1901ー1987里都亜尼亜→亜米利加)は20世紀最高のヴァイオリニストの一人、快速、研ぎ澄まされたテクニック、どんな作品にも彼のヴィヴラート+前のめりの表現は個性豊かに刻印されて、それを”お下品”と嫌う方の声も伺いました。自分は若い頃から好きやったなぁ、BeeやんもBrahmsも有名どころ作品は、ほとんどハイフェッツが出会いだったと記憶します。刷り込みでっせ。モノラルがほとんどだけど、音質はどれも良好。

 Korngold(1897ー1957墺太利→亜米利加)は神童としてデビュー、やがてナチスに追い出されて亜米利加ではハリウッドの映画音楽に名を挙げたそう。ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品35の初演は1947年、ハイフェッツによるもの。保守的に親しみやすい甘い旋律、時代から考えたら随分と後ろ向きっぽいかも知れないけれど、こちらド・シロウトにはありがたいわかりやすさでしょう。二管編成だけどハープ、ヴィブラフォン、シロフォン、チェレスタが加わって響きは多彩です。

 第1楽章 「Moderato nobile」は映画音楽「砂漠の朝(Another Dawn)」(1937年)のテーマ、映画音楽「革命児フアレス (Juarez)」(1939年)の「カルロッタの主題」が使われている由(Wikiによる)。とろりと甘美な2つの旋律が哀愁を帯びて、たっぷり美しく、例の如しハイフェッツのヴァイオリンはテンション高い推進力。(7:55)第2楽章「Romanze」主題は映画音楽「風雲児アドヴァース(Anthony Adverse)」(1939年)とのこと。たっぷりと変幻自在、音色は千変万化刻々と変化して歌う、切々と驚くべき表情豊かな厚みを感じさせます。(7:14)

 第3楽章「Allegro assai vivace」は超絶技巧要求快速ハードなスタッカート・リズムにて開始。第2主題は映画音楽「放浪の王子(The Prince and the Pauper)」(1937年)の優雅なテーマだそう。この対比、晴れやかな表情が颯爽と堪らぬ魅力でっせ。ハイフェッツの技巧の冴え全開、大爆発!ハイフェッツの協奏曲録音は、たいていオケが付け足しに聴こえて、ウォーレンシュタインのオケも奮闘しているはず。(6:43)

 Ro'zsa のヴァイオリン協奏曲はお気に入り中のお気に入り。題名に調性表記はないけれど、保守的にうんと親しみやすいBartokと云った風情でしょうか。第1楽章「Allegro non troppo ma passionato」の泥臭い旋律から魅惑、寄せては返す自在なる冒険活劇風。わかりやすい危機的場面風ハードな爆発もあります。オケの活躍彩りはKorngoldより上かも知れません。カデンツァにおけるソロの技巧の冴え、バリバリと圧巻!文句なし。オケが戻る静かな風情も傑作。(11:24)第2楽章「Lento cantabile」幻想的に深みのある歌(ヴァイオリン・ソロ)が延々と続いて、前曲よりClassicalな風情は強く感じました。途中の危機到来!な変化は親しみやすい、切ない陰影を彩ります。(7:37) 第3楽章「Allegro vivace」はハードなリズムによるオケの爆発から始まって、ヴァイオリン・ソロは不穏不安な入り。細かい音形は例の超絶技巧、颯爽と力みもない推進力に充ちて自信に溢れて、オケと激しく掛け合いました。(7:58)伴奏専門みたいなイメージのWalter Hendl(1917ー2007亜米利加)は思わぬ充実したカッコ良いオケ、ハイフェッツにぴたりと息を合わせました。

 主題と変奏はステレオ録音。名手Gregor Piatigorsky(1903ー1976烏克蘭→亜米利加)参加。主題(チェロによる)と7つの変奏は10分ほどの作品。他で見掛けたことはありません。第1変奏以降ハイフェッツも絡んで、これも”親しみやすいBartok”風旋律が次々と軽快に変容しました。ホルンが意外と存在を主張しております。

 ラスト、ハイフェッツの十八番っぽい「カルメン幻想曲」。有名な「ツィゴイネルワイゼン」のアルバムにも含まれておりました。これですよ、ソヴィエット時代のレオニード・コーガンが耳コピして録音したのは。馴染みの「カルメン」の旋律が変幻自在強烈!ま、これ以上の技巧はありえない!痺れました。(9:31)

(2021年7月24日)

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written by wabisuke hayashi