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100円、200円、1,000円の価値



 ・・・LPをかなり発見。大体が廉価盤、「セラフィム」「フォンタナ」「ユニヴェルソ」「ダイヤモンド1000」「パルナス」など。学食のカレーが¥80の時代だから、廉価盤の¥1000は大変な買い物だった・・・おやじのノスタルジーか?・・・〜これ、BBSに書き込んでいただいたものです。1970年頃ですね。

 「グロリア・シリーズ」は900円、ほか、「ヒストリカル1000シリーズ」「世界の名曲1000シリーズ」「ダイヤモンド1000シリーズ」「エラート1000シリーズ」「RCAグランプリ1000シリーズ」「バロック1000シリーズ」「ヘリオドール」等々世代によってはホンマ懐かしい廉価盤LP。(「ユニヴェルソ」は1,200円だったはず)

 ワタシは「石油ショック」後の学生だったので、上記文書より少々値上がり気味の価格感覚ですが、「学食のカレー80円」を現在仮に300円とすると「1,000円盤」は現在3,750円という驚異の価値へと至ります。そうか!今の1,000円CDは当時で換算すると266円也。「いつかは湯水の如くCDを買いたい」といった夢が現実となりました。素晴らしき時代。(現100円CDは、当時の計算では27円でっせ)

 いや、ホンマ当時は若かった(というかこどもだった)し、真剣に音楽を聴きました。ここ最近、「湯水の如く」CDを買っちゃって、挙げ句にばんばんエア・チェックからMDを作っているでしょ?贅沢というか、ものを大切にしなくなったというか・・・、でも、最近はますますケチ度も深化し「1,000円CDなんて豪勢!」とビビっちゃって買えません。


 2002年4月末、久々大阪に寄って「CD漁り」を堪能しました。これ、サイトで「CD検索」とは意味が異なる独特の興奮とスリル。合計34枚買っちゃいました。これでも2時間ジックリ選定・抑制していて、衝動的なら50枚越えていたはず。演奏内容の価値(の類推)と価格のバランスを熟考して判断していく至福の時間。嗚呼、一年に数回だからこその感動か!

 今回購入中、一番単価が安かったのが

「DIE GROSSEN SINFONIEN」(EDEL 0001122CCC)〜5枚組1,000円。これサイト上や、岡山の新星堂でもなんども見かけていたんですよ。紙パック仕様は大好きで、しかも真っ白な愛想なしでまったく無駄がない。いちおう曲目明細を示しておくと

Brahms 交響曲第2・3番(ヘルビッヒ/ベルリン交響楽団)
Haydn 交響曲第94・97・98番(ヘルビッヒ/シュターツカペレ・ベルリン)

* ヘルビッヒって、昔から知っているようで、ほとんど聴いていなかったし、先日聴いたNielsenがとても良かったので。オーケストラの違いも楽しみ。
Mozart 交響曲第29・41番(スウィトナー/シュターツカペレ・ドレスデン)
* これ、むかしPHILIPSで出ていた29番のLPとは別物でしょうか?
Schubert 交響曲第5・8番(シュライヤー/シュターツカペレ・ドレスデン)
* 一時、シュライヤーはずいぶん録音していましたね。オーケストラが楽しみ。
Beethoven 交響曲第5・7番(コンヴィチュニー/ゲヴァントハウス管弦楽団)
* いうまでもなく全集とのダブリ、いやはや。

 独墺系の著名交響曲ばかりなので少々遠慮していたけれど、旧東系の演奏家で固めてあるのも魅力絶ちがたい。ダブり買いも、こうしてみれば再聴の良い機会か・・・という言い訳苦しく、やはりこれは@250と評価すべきでしょう。

 じゃぁ、ということで

Schumann「クライスレリアーナ」、Liszt「メフィスト・ワルツ」など、Debussy 数曲 (ARKADIA CDGI 908.1)〜正真正銘@200。(中古じゃなくて、在庫処分か)ジュリアン・フォン・カーロイ(p)1953/54年の録音。カーロイはなんども名前を聞いているようで、いざ調べてみるとどこの誰だかわからない。演奏はのびのびとして、しっかりとした骨太さもあって悪くない。音もヨロシ。廉価盤フリークとしての自己満足度(どや、3,000円で駄盤買うたやつもおるやろ、とか)極めて高し。

 数年ぶりに「高い」CDも買いました。

Ravel 作品集(RCA 09026-63683-2 マルティノン/CSO)一枚1,000円。10年前の新星堂1,000円盤を買い損ねて以来、このCD探していたんですよ。1,500円なら数回見かけていたんですが。さきの独墺系交響曲5枚と同じ価格でしょ?フツウ買えませんよ。でも、清水の舞台から飛び降りる決意で買っちゃいました。

 マルティノンはシカゴ時代評判が悪くて、どう考えてもアメリカの機能的オーケストラとの相性はよろしくない先入観があります。が、「異質なるものの出会い」は期待させるものがあって、この時代の録音は(機会があれば)全部聴いてみたい、と常々思っておりました。ワタシにとっての超高額=1,000円は期待料なんです。(冒険料は600円迄)


 大阪へ行った翌日、出張で山口に行っておりまして、「あ、デジカメの電池買わなくちゃ」とダイソーに寄りました。そしたらウワサの「フルトヴェングラー」CD発見。試しに一枚のみ購入。

Brahms 交響曲第1番ハ短調(これ表記がないが1952年のウィーン・フィルだそう)〜これ、アツく、燃えるような、うねるような演奏でした。History盤と同じ原盤だけれど、「だったらHistoryでも@100で売ったらどうか」なんていう勝手な感想も出てしまう〜でも、100円ですから。1,000円じゃないですよ。これこそ、「音楽の感動と価格とはなんの相関関係もない」(江戸時代の和算の大家・関 孝和の言葉〜うそ)ということを証明する事実でした。

 それとMD2枚買いました。手持ちで数十枚MDがあったが、さすがに在庫が切れて困っていたら「ダイソーMD100円」ですもんね。カセットって、1980年代は高くありませんでした?少なくとも100円という記憶はない。しかも、ピンキリありましてね、高いのと安いのとでは音質に大きな差があったんですよ。もしかしたら、MDでもそうなのかも知れないが、ワタシには「差」はわかりません。

 帰宅して、DATアエ・チェックからMD2本に落としました。
Shostakovich 交響曲第8番(ハイティンク/ウィーン・フィル)
1994年7月31日 ザルツブルク・ライヴ

Puccini 「菊の花」
ハーゲン弦楽四重奏団 1993年ライヴ

Bach ブランデンブルク協奏曲第2・3・4番
イル・ジャルディーノ・アルモニコ
1995年7月1日シュタイヤーマルク音楽祭ライヴ

Handel  「シバの女王の登場」
合奏協奏曲作費品6―10ニ短調
Bach ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 ハ短調 
ジ・エイジ・オブ・エンライトゥンメント
1995年7月9日ベルリン・フィルハーモニー・ライヴ

〜これで各@100です。ま、もともとのDATのマシン代、DATテープ代を考慮すればエラい贅沢かもしれんが、100円のMDなら、思う存分使っても後悔はないでしょ?(2002年5月10日)


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written by wabisuke hayashi