Italian Baroque Favourites


NAXOS 8.550619 Geminiani  

2台のヴァイオリンと通奏低音ためのソナタ第1番ハ短調

Corelli

2台のヴァイオリンと通奏低音ためのソナタ ロ短調 作品1-6

Pugnani 

2台のヴァイオリンと通奏低音ためのソナタ ハ長調 作品1-3

Corelli

2台のヴァイオリンと通奏低音ためのソナタ 変ロ長調 作品4-9

Vivaldi 

ヴァイオリン、オーボエ、オルガンとシャリュモーのためのソナタ ハ長調 RV.779

Corelli

2台のヴァイオリンと通奏低音ためのソナタ ホ短調 作品2-4

Porpora 

シンフォニア・ダ・カメラ 変ロ長調 作品2-6

アンナ&クイード・ヘルブリング(v)/スラヴィック(vc)/ダニエラ・ルソ(cem)/ウラディミール・ルソ(or)

NAXOS 8.550619  1990年録音 833円で購入

 いわゆる三声による「トリオ・ソナタ」集〜これ、モウレツに楽しい。NAXOSを買い始めたごく初期からのおつきあいCDでしょうか。Corelli(コレルリ 1653-1713)、Vivaldi(ヴィヴァルディ 1678-1741)は有名どころで、次いでGeminiani(ジェミニアーニ 1687-1762)の知名度は高いかな?Pugnani(プニャーニ〜コレルリの弟子筋 1731-1789) Porpora(ポルポラ〜Haydnの先生とのこと 1686-1768)辺りになると、なかなかCDには出会えません。せいぜいクライスラーのヴァイオリン小曲の編曲もの(あれは名前を借りただけ)か?曲名表示が少々不親切で、ワタシの調査水準では標記で精一杯。

 まず5曲目、Vivaldiを聴きましょう。馴染みの牧歌的旋律をヴァイオリンが繰り返して親しみやすい。唯一ポジティヴ・オルガン大活躍で、奥行きも作るしけっこうソロで大活躍。Corelliが3作品取り上げられていますね。ロ短調ソナタはほの暗い旋律が切々と歌います。変ロ長調ソナタはゆったりと安らいで開始〜やがて快活なる歓びの表情が現れ、ラスト、カラダが揺れるようなしっかりとしたリズムが(陰りも伴いながら)美しい。ホ短調ソナタは哀愁の表情が、緩-急-緩とテンポを変えながら緊張感あるリズムがハズみました。

 Geminianiは懐かしさ滲み出る旋律が即テンポを上げて、愉悦感が溢れました。歓びは控えめな表情で語られ、ラスト暗い雰囲気からテンポ・アップすると雲の切れ間から太陽が覗きます。Pugnaniは旋律がハイカラですよ。どんどん転調するんです。Porporaは、予備知識がなくたって「初期Haydn交響曲」にそのままつながる端正なる表情でしょう。緩-急(ユーモラスなる味わい)-緩(暗転)-急〜時代は既にイタリア・バロック時代を終わろうとしているようです。

 演奏家はブラティスラヴァのオーケストラ(おそらくスロヴァキア・フィル)のメンバーでしょう。現代楽器による演奏にはクセがなく、しっとり甘く、耳に馴染みます。通奏低音を担当するチェロがとても安定していて、どこまでも気持ちよく聴くことができます。激しいリズムとか、極端なるテンポの緩急は意図していません。ある意味似たような作品ばかりなので、聴き続けると飽きますか?

 録音極上。まったりとした時間がスピーカーから流れ続けます。(2004年7月9日)

 

【♪ KechiKechi Classics ♪】

●愉しく、とことん味わって音楽を●
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written by wabisuke hayashi