Berlioz 幻想交響曲(インバル/フランクフルト放送交響楽団)


Berlioz

幻想交響曲 作品14

インバル/フランクフルト放送交響楽団

BRILLIANT 99999-1 1987年録音  11枚組3,582円で購入したウチの一枚。

 ま、安いし勉強だ、ということでBerlioz11枚組ボックスを買いました。どうも評判がヨロシくない。世評などどーでも良いが、一番有名な「幻想交響曲」を一度聴いた感想は、暗い、ジミ、ぱっとしない、そんなところかな。それだけじゃあまりに失礼だから、真面目に聴きましょう。

 でも、もともとこの曲って好きじゃないんです。どうしてかな?小学生からのお付き合い(オーマンディ盤で)なのにね。各楽章、けっこう細部まで旋律も暗記してます。有名曲だけに、けっこう手許にCDは存在して

小澤/トロント響
ブーレーズ/ロンドン響
C.デイヴィス/ロンドン響
C.デイヴィス/コンセルトヘボウ管
ケーゲル/ドレスデン・フィル
ロイター/ベルリン・コミシェ・オーパー
エリオット・ガーディナー/革命的かつ浪漫的管弦楽団
バルビローリ/ハレ管(1959年)
バルビローリ/ハレ管(1947年)
ミュンシュ/パリ管
ミュンシュ/ハンガリー放送管弦楽団
クリュイタンス/フランス国立放送管弦楽団
ワルター/パリ音楽院管弦楽団(1939年)
ヤンソンス/ウィーン・フィル(1994年ライヴ・エア・チェックMD)
で、このインバル/フランクフルト放響

 正直に告白します。ほとんど曲自体に共感を持って聴いてません。(これはワタシの理解力不足なんでしょう)だから、こんなに持っていても無意味そのもの。いつの間にこれほど貯まったのか、記憶がない。探せば(とくに歴史的録音セットもの辺り)まだ出てくるかも知れない。で、じつはこの度、C.デイヴィス/コンセルトヘボウ管(PHILIPS GCP-1010 1974年録音)のCDを@100で購入〜これがちょっと感じるところがありまして・・・・

 ようはするに、いつものワン・パターンだけれど「オーケストラの厚みと、豊かなホールトーン」ですよ。自然体で作為を感じさせない表現。じつは細部に迄、配慮が行き届いているワタシ好みの世界〜でも、その演奏で「幻想交響曲」に目覚め、好きになった・・・・と、いうわけでもないんですが。いちおう、いくつか再聴して行き当たったCDがインバル盤でした。

 これ、なんということでしょうか。アンサンブルが優れ、細部までていねいに表現され、あちこち美しい世界が広がっているはずなのに、すべて無表情に感じます。音量が上がり、クライマックスに向けてオーケストラが吼えているはずなのに、あくまで冷静。涼しげ。こんなに冷たくていいの?というくらい音楽に「共感」を感じない。

 第2楽章「ワルツ」だって、ずいぶん緻密に、細かいニュアンスを付けながら演奏されているのはたしか。でも、余所行きの表情であってすげない風情?なんか、(よろしくない意味で)線が細いような気がして聴き手のココロを擽らない。

 細部まで明快で、アンサンブルも優秀、すべての旋律を語っているようだけれど、できあがった音楽は「何を言いたいの?」状態なんです。録音も優秀だし、いったいどこが問題なのか?音符を並べても音楽にならない、ということかな。で、バルビローリ盤を再確認したが、ああ、なるほどね、これなら旋律に対する「愛情」やら「入魂」みたいなものを感じちゃう・・・・ここでのインバルの解釈って、いったい全体どうなっちゃっているんでしょうか。

(2003年7月4日更新)


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written by wabisuke hayashi