ドレスデン宮廷管弦楽団のホルン協奏曲集
(ダム/メルクス/カペラ・サジタリアーナ)


ドレスデン宮廷管弦楽団のホルン協奏曲集(ダム/メルクス/カペラ・サジタリアーナ)DEUTSCHESHCALLPLATTEN  TKCC-30622 Quantz(1697-1773)

ホルン、オーボエ、弦楽と通奏低音のための協奏曲 変ホ長調

Zelenka(1679-1745)

二つのホルン、二つのオーボエ、ファゴットと弦楽、通奏低音のためのカプリッチョ ヘ長調 ZWV184

Heinichen(1683-1729)

二つのホルン、二つのフルート、二つのヴァイオリン、二つのヴィオラ、通奏低音のための協奏曲 ヘ長調

Telemann(1861-1767)

二つのホルン、二つのオーボエ、弦楽、通奏低音のための協奏曲ニ長調

Fasch(1686-1758)

二つのホルン、二つのオーボエ、弦楽、通奏低音のための協奏曲ニ長調

ペーター・ダム/パンサ(ディスカント・ホルン)/メルクス指揮/ユスト/カペラ・サジタリアーナ

DEUTSCHESHCALLPLATTEN TKCC-30622 1987年(ドレスデン・ルカ教会)  1,000円(税込)にて購入

 ダムともあろう稀代の名人が「ディスカウント」のホルン使用・・・ではなくて、ディスカント・ホルンとは

通常のF管よりも1オクターブ高い音域の出る、Fアルト(或いはハイF管)のディスカント・ホルンが用いられる。これは、バッハのブランデンブルク協奏曲のような高音域を演奏する為には必需
とのネット調査結果でした。

 少々知名度的には落ちるが、大Bach (1685-1750)世代の、おそらく現役時代はずっと有名だった「ドレスデン宮廷」で活躍した作曲家による、ホルン協奏曲集・・・企画みたいです。Zelenkaの第2楽章以外は全編ホルン大活躍!ダムの奥行き、厚みのある瑞々しい、セクシーな音色を聴け!っという一枚。カペラ・サジタリアーナって、あまり団体名聞いたとことはないが古楽器団体なのでしょう。メルクスがその方面の方だし。

 古楽器のワリにけっこう弦にヴィヴラートも掛かるし、響きも厚いじゃない、てなことは言いますまい。そういう方向(例えば、かつて一世風靡したコレギウム・アウレウム)だってキライじゃなかったし。全体として、牧歌的、かつ変化と陰影に富んだ作品ばかりで、ワタシ、この辺りの作品はほとんど好みなんです。充実した、瑞々しいアンサンブル、ダムの伸びやかかで、朗々としたホルン(完璧)を先頭に、どのソロも文句なく上手い。

 しかしこのCD、聴き進むに連れてややツカれてくるのは、ワタシが病明け、ということなのでしょうか。つまり、重い。リズムはしっかり、はっきりと厳格に刻んでいく。それはそれとしての”ノリ”もあり、「音の出し方が安易だ」とか「旋律に誠意が不足する」なんてことはもちろんないけど、この生真面目な語り口が(時間の経過とともに)負荷となって、説教に感じます。罰当たりなワタシ。

 もっと軽快で、というかお気楽な、カル〜い音楽だったんじゃないの?この時代の音楽って、ド・シロウトのカンだけど。愉悦感というのかな?ちょっと濃厚すぎ、というか「ああ、ダムのホルンは立派だったし、このCDはもういいや」〜みたいな感じ。Zelenkaの第1楽章〜二つのホルンが絡み合って圧巻であり、最終楽章の高音の見事さには舌を巻くばかりであります。

 Telemannの旋律の陰影にも文句なし。これは純粋なるワタシのワガママなので、お叱り覚悟の上、です。ルカ教会の録音は極上の残響具合。だけど、ワタシはもっとかそけき響きでこの音楽は楽しみたい。(2004年7月14日更新)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi