Haydn 交響曲第102番 変ロ長調/
第103番 変ホ長調「太鼓連打」/第104番ニ長調「ロンドン」
(ギュンター・ヒルビッヒ/ドレスデン・フィル)


0002502CCC Haydn

交響曲第102番 変ロ長調
交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」
交響曲第104番ニ長調「ロンドン」

ギュンター・ヒルビッヒ/ドレスデン・フィル

CCC 0002502CCC 1977年録音

 Gu"nther Herbig(1931ー独逸→亜米利加)はもう引退の年齢でしょう。活動晩年は台湾のオーケストラを統率しておりました。旧東ドイツ時代に多く録音を残してHaydnは交響曲第93番〜第104番迄まとめてCD4枚分録音(別途シュータツカペレ・ベルリンと3枚分?確認)この3曲はティンパニも入る古典的二管編成。1794-5年Haydn62-3歳の作品。要らぬ飾りのない明晰な生真面目(過ぎ)な表現にドレスデン・フィルは例の硬いサウンドに響き、ちょっと濁りもあります。もちろん、言うまでもなくモダーン楽器使用、ちょっと大柄に無骨、やや重みを感じさせる往年の表現でした。音質はまずまず。

 交響曲第102番 変ロ長調交響曲は。クラリネットを欠く編成。第1楽章「Largo - Vivace」は神妙な序奏から、明るい喜びをいっぱい滾(たぎ)らせて主部は疾走いたしました。フルートの印象的な独奏から、暗転もあって快活ノリノリな名曲ですよ。(7:55)第2楽章「Adagio」はたっぷり優しい歌に、チェロの低音の動きがしみじみ懐かしくデリケートなところ。ここも途中寂しさを感じさせる陰影深い旋律が素敵。(6:15)第3楽章「Menuet - Trio: Allegro」快活に躍動するメヌエット。大柄骨太不器用に響いて、どこかユーモラス。トリオはオーボエとフルートの優雅な掛け合いとなります。(6:00)第4楽章「Finale: Presto」は弦と木管による、目まぐるしい細かい音型が低く、抑制して始まりました。やがてそれは快活な疾走にて躍動。フルートのソロも快く、ユーモラスな風情を湛えつつ陰影たっぷりに力強い。(4:38)

 交響曲第103番 変ホ長調「太鼓連打」はあちこち自在なトライヤルを含んだ革新的作品でしょう。第1楽章「Adagio,Allegro con spirito」はニックネームの由来になっているティンパニの導入から(指揮者によっては自在にアクセントを付けている)長大深刻な序奏が個性的、主部は堂々たる牧歌的な活気に充ちております。ラスト再度ティンパニ登場。(8:49)第2楽章「Andante piu tosto allegretto」はハ短調、手の込んだフクザツに表情豊かな変奏曲(この楽章はクラリネットお休み/8:21)第3楽章「Menuetto-trio」は闊達な表情にホルンと木管の合いの手もユーモラス。トリオは優雅なレントラーでした。(4:47)第4楽章「Allegro con spirito」は冒頭勇壮なるホルンの出足が「ジュピター」連想させるスケールでした。(5:03)

 Haydnラストの交響曲第104番ニ長調交響曲「ロンドン」は堂々たるスケール作品でしょう。第1楽章「Adagi-Allegro」の序奏の立派なこと!(ニ短調)それに呼応するニ長調の主部は晴れやかな余裕を感じさせるもの。(7:07)第2楽章「Andante」はさっぱりとしたテイストな変奏曲、表情は多彩です。(5:09)第3楽章「Menuetto,Allegro」は典型的な優雅なスタイル、晴れやかな表情にティンパニの追い込みが効果的でしょう。(6:36)第4楽章「Spirituoso」。drone(とは例の飛行物に非ず、音高の変化なしに長く持続する音。バグ・パイプを連想音/Wikiより)に乗った民謡風の旋律が闊達朗々と歌いました。(7:55)

(2025年1月18日)

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written by wabisuke hayashi