Haydn 弦楽四重奏曲 作品1/1-3(ディヴェルティメント)
(エミール・クライン/ハンブルク・ソロイスツ)


Arte Nova 74321316822 Haydn

弦楽四重奏曲 作品1(ディヴェルティメント)
第1番 変ロ長調「狩り」 作品1-1,Hob.III-1/第2番 変ホ長調 作品1-2,Hob.III-2/第3番ニ長調 作品1-3,Hob.III-3

エミール・クライン/ハンブルク・ソロイスツ

Arte Nova 74321316822 1995年録音

 10年以上前に一度言及して(図書館借り物)その後音源入手していたもの。所謂弦楽四重奏曲第1番ー第3番の弦楽合奏版、4枚組の1枚目となります。Arte NovaはRCA系廉価盤レーベル、親会社がSONYに吸収されたから、運がよろしければSONYの音源に残っているけれど、知名度低いエミール・クライン(Emil Klein, 1955ー2004)はなかなか探せぬ音源に至りました。

 もちろんオリジナルの弦楽四重奏も典雅に素朴な味わいが素敵、こちら室内弦楽合奏スタイル。昨今流行りの古楽器リズム強調スタイルに非ず、素直にやや厚みのある透明度、しっとり落ち着いた風情がいっそう優雅であります。意外と隠れファンもいらっしゃるみたい(このCDは入手可能のようです)。

 もともとはディヴェルティメント(嬉遊曲)?弦楽四重奏曲のスタイルが未だ確立されていなかったのか、各々5楽章制17-20分ほどの作品は弦楽合奏が相応しいような気もしますね。第1番 変ロ長調「狩り」Prest(3:07)ーMinuetーTrio(3:48)ーAdagio(4:45)ーMinuetーTrio(3:14)ーFinale: Presto(2:07)。弦楽四重奏ならもっと快活に躍動すると思われる第1楽章から優雅であり、メヌエットの三拍子もゴージャスな風情であります。アダージョはしっとりたっぷりと歌い、再びメヌエットは溌剌、フィナーレはいかにも典雅なロココといったところ。

 第2番 変ホ長調Allegro molto(5:01)ーMinuetーTrio(4:28)ーAdagio(5:17)ーMinuetーTrio(4:07)ーFinale: Presto(2:15)第1楽章が3拍子にゆったりとして少々長い。続くメヌエットもノンビリとした風情が継続しました。Trioは優雅そのもの。こんな風情連続に少々眠くなるほど。更に天上からの囁きのようなアダージョがそれに拍車を掛けます。ピチカートが静謐そのもの。再びのメヌエットに少々欠伸が・・・(失礼)ラスト快活なフィナーレがきっちりケジメを付けて躍動しました。

 第3番ニ長調Prest(1:51)ーMinuetーTrio(3:39)ーAdagio(7:18)ーMinuetーTrio(3:57)ーScherzo-Presto(2:18)。溌剌として短い第1楽章はスケール大きく、リズムがしっかりとしたメヌエットも快調です。たっぷり長い「アダージョ」は絶品の気品の高さ、安寧に高潔な旋律であります。続く第2メヌエットも優雅な風情に陰りもあって聴かせる舞曲。終楽章は「スケルツォ」と題されているように諧謔に富んで躍動いたします。ここもちょっぴり短調に崩れて陰影豊か。

(2018年2月4日)

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written by wabisuke hayashi