Glinka 弦楽四重奏曲第2番ヘ長調/Myaskovsky/Taneyev
(ゴステレラジオ弦楽四重奏団)


VOX Allegretto  ACD 8178 Glinka

弦楽四重奏曲第2番ヘ長調

Myaskovsky

弦楽四重奏曲第13番イ短調 作品86

Taneyev

2台のヴァイオリンとヴィオラのための3重奏曲第2番ニ長調 作品21

ゴステレラジオ弦楽四重奏団(国立放送弦楽四重奏団)

VOX Allegretto ACD 8178 録音年不明(DDDとの標記) 中古500円で購入

 (p)&(c) 1989 Gosteleradio となっていて、ロシア方面からの放送用音源かも知れません。少々硬質ながら、良好な音質でした。なかなかロシアものには触れる機会が少ないし、ましてや室内楽でしょ。お勉強になります。人生、つねにお勉強なんです。(息子に言い聞かせたい)

 Glinkaは1804〜1857で、Schumannとほぼ同世代。Borodin、Mussorgskyより一世代分前になって、母国では評価が低かったとのこと。歌劇「ルスランとリュドミュラ」序曲以外は、なかなか聴く機会はありません。このヘ長調の弦楽四重奏曲は、それなりに有名らしい。だけど、ちゃんと聴いたことはなくて、音が鳴り出してみるとHaydnかMozart ?これ、といった親しみやすさ。明るく躍動する表情。露西亜風アクの強い世界ではない。センスとしては完全に古典的独墺風か。

 白眉は第2楽章「アンダンテ」でしょう。ほとんどHaydnの緩徐楽章のテイストに、陰影深く色彩が付加された、そんな安らぎが溢れました。第3楽章「メヌエット」だって、端正な古典的愉悦+もの悲しい陰りの世界であります。(これはMozart ?)終楽章、晴れやかな表情の楽しさは、比類がありません。

 Myaskovskyはご存知、ぐっと現代に近い存在だけれど、この人、交響曲だけでなく室内楽も多作家だったんですね。これが、とんでもなくエキゾチックでわかりやすい音楽。例えて言えば、かなり元気の良い、露西亜風Debussyといったところか。第2楽章「プレスト」のリズムはモダーンに弾み、幻想的であり、不安げでもあります。(ややジャズ風テイストも有)第3楽章「アンダンテ」の怪しげ旋律、目眩く転調の連続だってくぐもって暗鬱な響きが素敵だし、最終楽章は怒りに充ちてチカラ強い。名曲。

 Taneyevの作品に至っては、Mozart そのままですね。素朴で弾むような旋律がまるで「魔笛」を連想させます。チェロが入らない分、いっそう軽快で溌剌、優しい繊細な世界なんです。(前2曲とメンバーが違うようです)

 珍しい作品ばかりのようだけれど、こんなに親しみやすい世界。演奏は闊達で自在な技巧を誇りました。音楽は広く、新しい出会いを大切にしたいものです。

(2006年1月27日)


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