Berlioz 幻想交響曲 作品14
(ヘルベルト・ケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー)


Berlioz  幻想交響曲 作品14 (ヘルベルト・ケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー)
Berlioz

幻想交響曲 作品14

ヘルベルト・ケーゲル/ドレスデン・フィルハーモニー

DEUTSCESHALLPLATTEN YMC-105  1984年録音  300円(中古)にて購入

 ワタシは”Beeやん苦手”を公言して、読者より顰蹙を買っているが、苦手は徐々に克服するよう努力ははしております。小学生からクラシック音楽(ばかりではなく、いろいろと)を聴いていたけれど、「悲愴」「幻想」はオーマンディ/フィラデルフィア管弦楽団のLP2枚組(SONYであった/2,500円)をすり切れるほど聴いたものです。やがて月日は流れ、日々謙虚さを失い傲慢化するワタシは「悲愴」「幻想」を”苦手系”と認識するように・・・このサイトの初期更新分では、そのことがたびたび言及されております。

 でもね、”CDが安かったら買う”、”買ったらとにかく聴いてみる”〜なんせ超有名人気作品じゃないですか、ボックスものを購入したら入っていることも多いし、中古にも出物はけっこうあるもんなんです。結果的に、この「幻想」だって楽しく聴けるように(いつの間にか)なっておりました。ケーゲルはしばらく聴いてなかったな、と在庫確認しているウチに出てきたCDがこれ・・・もともと1990年頃、1,000円で売られていたものじゃないのか。

 この「幻想」はえらくクールというか、無表情というか、愉悦感の欠片もないですね。第1楽章「夢、情熱」は極めて遅いテンポで、入念に、恐るべき集中力を以て開始されます。「悲劇は始まった!」〜そんな感じか。やがてテンポ・アップして、美しい旋律が歌われ・・・ない。常に醒めているような怪しさ蔓延して、ホルンのヴィヴラートが妙にセクシーではあります。アンサンブルの仕上げは、常に入念であります。ティンパニの強打は馴染みのどっきり効果であります。

 第2楽章「舞踏会」だって、極めて正確にリズムを刻んではいるが、”クールというか、無表情”続いてますね。指揮者は舞踏会を楽しんで踊っていない・・・第3楽章「野辺の風景」に於ける異様なる緊張感、寒々しい枯れ野のを連想させる響き、優雅な旋律が昂揚しても気温は上がらない。

 第4楽章「断頭台への更新」は”いかにも”的期待の場面だけれど、けっしてバカ騒ぎはなくて、一歩引いて冷静沈着に金管をクリアに爆発させます。フツウこの楽章はアツく演るもんだろうが、ギロチン台の囚人は最期まで顔色一つ変えません。第5楽章「サバトの夜の夢」・・・金管を強烈に、明確正確に、ゆっくり鳴らして効果的であります。「鐘」はなんだい?まるで日本のお寺さんの鐘でっせ、コレ。ご〜ん、てな感じ。不思議です。異様異形です。いままで聴いたこともない。

 地獄のバカ騒ぎ場面のはずが、悪魔魔女達は無表情であって、しかも整然と行進しております。ティンパニの迫力最高。結論的に、こりゃそうとうに個性的な「幻想交響曲」だ。

 個人的には第1/4楽章は繰り返して、第2楽章にはコルネットが欲しいですね。閑話休題(それはさておき)、久々にケーゲルの怪しさを堪能いたしました。

(2006年11月10日)


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written by wabisuke hayashi