Dvora'k スラヴ舞曲集全16曲
(ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団)


(輸入元エコー・インダストリー)CC1091(1973/74年 DG録音)  1,000円で購入(高い!)   Dvora'k

スラヴ舞曲 作品46/1〜8
スラヴ舞曲 作品72/1〜8

ラファエル・クーベリック/バイエルン放送交響楽団

(輸入元エコー・インダストリー)CC1091(1973/74年 DG録音) 1,000円で購入(高い!)

 日々、”鈍感力”強化して2008年も乗り切る決意であります。駅売海賊盤は少しずつ手持ち在庫から減っていて、それは正規盤と入れ替えたり、オークションにて格安で処分したり、ということです。それでも、15年に至るお付き合いCDとは別れ難いものも有〜これなど代表例ですな。ジョージ・セル盤と双璧の名演奏也。間違いない。本来、まとめて全部!聴くべき作品集じゃないんだろうが、全70分始まっちゃったらもうスピーカーの前を動けない。

 駅売海賊盤、おそらくはLP板起こしで音質云々しちゃマズいだろうが、しっかり芯があって、中低音充実、きんきら派手ではないが、しっとり美しいアナログ・サウンドを堪能できます。もとより、オーケストラのサウンドそのものが”しっとり美し”くないと、お話しにならぬのは当たり前。(LP末期、某アメリカのオーケストラで音質をウリにして話題になったものがあったが、演奏そのものはヘロであって閉口した記憶有)クーベリックって、やはりバイエルン放送交響楽団でしょうが。Dvora'kの交響曲だって立派な演奏だけれど、ベルリン・フィルが流麗に過ぎる印象がありました。

 クーベリックは”纏綿と歌う”系の人じゃないと思います。でもね、例えば作品46/第4番ヘ長調のノンビリと味わい深い揺れ、作品72/第2番ホ短調に於ける上品な”泣き”(これ、全曲中の白眉!)、第4番変ニ長調のためらいがちの表情の床しさ、そしてラストを締めくくる第8番変イ長調の上品な悦び、懐かしさ・・・ノスタルジー感じませんか。ワタシはバイエルン放送交響楽団の暖かい厚みが大好きです。(マリス・ヤンソンスは佳き伝統を引き継いでいますか?)

 ボヘミアの音楽って、躍動リズム!命でしょう。Smetana 歌劇「売られた花嫁」序曲やら、Dvora'kだったら序曲「謝肉祭」作品92とか。著名なる作品46/第1番ハ長調の文句ない迫力(ティンパニ上手い!)、第2番ホ短調は暗い表情のテンポが揺れ動いて、やがて明るく弾ける語り口の上手さ、ノリ。第3番変イ長調はノンビリ牧歌的に開始して、快速加速が行ったり来たり。第5番イ長調の一気呵成のスピード感。

 (嗚呼、キリがない)第7番ハ短調も好きだなぁ、オーボエのほの暗いソロからやがてオーケストラ全体が決然と爆発するんです。そのリズムの鮮やかさ!第8番ト短調は(第1番ハ長調と並んで)アンコールでお馴染みです(両曲とも「フリアント」らしい)。作品72/第3番ヘ長調はちょっと技巧的に複雑な構成になっていて、Dvora'kの作曲技量の熟練が認められると思います。(ストレートに楽しめるかどうかは別の話し)

 第5番変ロ長調は、やや大柄の悲劇的旋律からテンポを上げて、揺れて、これも技巧的な作品。第7番ハ長調は序曲「謝肉祭」によく似た、運動会に似合いそうな軽快で、明るい作品でした。全体に前半の作品46が好みだけれど、作品72には泣ける第2番ホ短調や、上品な第8番変イ長調(ここでの弦の美しさは滅多に経験できぬ)という傑作もあるから最後まで油断できない。

 バイエルン放送交響楽団、上手いっすねぇ。どのパートも心を込めて、しっとりと鳴っていると思います。

(2008年1月4日)

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written by wabisuke hayashi