Dvora'k 交響曲第9番ホ短調「新世界より」
(イルジー・ビエロフラーベク/チェコ・フィル2013年)


DECCA 4786757 Dvora'k

交響曲第9番ホ短調「新世界より」

イルジー・ビエロフラーベク/チェコ・フィル

DECCA 4786757 2013年録音

 恒例の猛暑中、しかもコロナ感染第5次爆発中、そして物議を醸す五輪開催中。世界中、そしてとくに日本ではアンビヴァレントな日々が続きます。(両面の価値、相反する感情の交錯などの意)完全引退直前の自分は自称・長久手のエマニュエル・カント風に規則正しい生活を続けても猛暑に負け、心臓不調でも毎日の運動と【♪ KechiKechi Classics ♪】更新を欠かしません。アクセス分析可能なブログと違って昔ながらの(シンプルな)タグ打ちウェブサイト、仮にGoogleロボットのみの訪問であっても、自分なりの生活のケジメであります・・・

 こんなしょうもない噺のまくらは、じつは数日前週末定例更新の候補にしていた某音楽、今朝一番に聴いてみたらどーも違う、気持ちにフィットしなかったから。苦しいときの昔馴染み「新世界」は日本では一番人気、演奏会は必ず満員になるとの噂も(情報が旧いかも)急遽、Jiri Belohlavek(1946ー2017捷克)の登板としました。これは自分的に数少ない経験、高品質音源なんです。ファイルサイズがやたらと大きいからあまり手を出しません。

 (本題にはなかなか入らない)2021年ついにCDを最終的に処分してデータ拝聴に移行済、パソコンからオーディオに無線を飛ばして拝聴するようになったのが2011年。当時ネットより入手できる音源は.mp3、圧縮率もいろいろあって320bpsが最大値であることを知ったのは数年後、やがて.flacとか.ape、可逆圧縮音源が主流となって、贅沢生意気にも”音質云々”贅沢するように至ったものです。怪しい音源を全世界のネットより入手するから時に劣悪な物も有、最近では著名なルドルフ・ケンペによるBeethoven交響曲全集を状態のよろしい音源で再確認したら、印象一変!したもの。

 さらにネット環境の進化に伴って登場したのがハイ・グレードな「24-192」とか表示されているもの(意味は理解していない)。他いろいろ幾種もあるのかも知れません。これが音楽ファンの主流になっているのでしょう。

 第1楽章「Adagio - Allegro molto」ホ短調。夜明け前風の静謐とした序奏から、決然とした旋律リズムが繰り返されてわかりやすく、懐かしい旋律連続。ビエロフラーベクは残念、提示部を繰り返さないんですね。クリアな音質に解像度抜群・・・だからこそ、チェコ・フィルの素朴さとか、サウンドの芯の甘さとかリアルに理解できるもの。シカゴとかクリーヴランドとか”新世界側”の演奏に馴染み過ぎたのか、かっちりと強靭なアンサンブルが脳裏に響いて、こちら微妙なアンサンブルのラフさ、パワー不足が今更気にならんでもない・・・(9:55)

 第2楽章「Largo」変ニ長調。誰も知っているイングリッシュホルンによる懐かしさ極まる「家路」旋律。中間部は嬰ハ短調に暗転して、その哀愁の旋律も絶品!抑制した弦も、味わい深い木管も最高。テンポは中庸に適正を感じさせ、ここはオケの技量云々文句なし、雰囲気たっぷりにデリケートな演奏でしたよ。第1楽章動機の復活爆発部分にはもっとパワーが欲しいもの。(12:45)

 第3楽章「Scherzo. Molto vivace」ホ短調は賑々しいスケルツォ楽章。力強い着実な足取りも、決然とした大爆発!に非ず、微妙に素朴な味わい、牧歌的な音色が支配しております。耳をつんざく鋭さはない。緊張感漂う出足に最初のトリオはノンビリとして、2番目のトリオも優雅なハ長調、この辺りの対比、わかりやすさ、ほんまにDvora’k上質のワザと感じます。(8:17)

 第4楽章「Allegro con fuoco」ホ短調。ホルンとトランペットによる主題はカッコよく、そして音色はあくまでマイルド。弦に受け継がれる決然とした旋律は豊満なサウンドに非ず、安らぎの木管の音色は魅惑でも”上手い”感じではない。いくらでも煽って推進したいところ、ビエローフラーベクはバランス感覚と抑制に充ちて力技で押し切らない・・・のは、オケのパワー不足なのかも。全体を通して馴染みの名曲は内声部の旋律が認識できて、響きはダンゴにならない。滋味深い旋律が浮き立って、興奮と熱狂の渦に非ず。自分の安物のオーディオでは成果は知れていても、聴き疲れのしない、自然な空間を感じることは可能でした。(11:53)

 管楽器の響きにたっぷり個性を堪能して、一方でパワフルな亜米利加サウンドを求めておりました。結論は五味 康祐「オーディオ遍歴」の通りなのでしょう。

(2021年8月7日)

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written by wabisuke hayashi