Delius 交響詩「頂にて」/春の朝/フォルケラーデット/アパラチア
(ジョン・ホプキンス/スロヴァキア・フィル)


MarcoPolo 8.220452 Delius (1862-1934英国)

交響詩「頂にて」(15:24)
春の朝(8:31)
劇付随音楽「フォルケラーデット」(人民議会)
Prelude Bewegt(3:08)/Lustig Bewegt(5:12)/Allegro Energico(7:16)/March Lento Solenne(8:13)/Melodrama Music(1:36)
アパラチア(アメリカ狂詩曲(古い奴隷歌による変奏曲)/管弦楽版(9:49)

ジョン・ホプキンス/スロヴァキア・フィル

MarcoPolo 8.220452 1986年録音

 12年ぶりの拝聴、記憶はまったく雲散霧消してサイト内検索にて気付きました。John Hopkins (1927-2013英国→濠太剌利)は知名度的には低いけれど、新西蘭や濠太剌利で活躍した人らしい。Delius中比較的珍しい作品を揃えて、スロヴァキアのオケで録音というのもMarcoPoloらしい趣向、デザインも演奏(録音)も思いっきりダサい、洗練されぬ響き、オケは作品に慣れていないのか、たまたまの客演演目だったものを録音したのかも。

 懐かしい、草原の情景を遠目に懐かしむようなDeliusの作品旋律、交響詩「頂にて (On the Heights)は作品名さえほとんど初耳状態。(「アパラチア」以外)ほか、秘曲を得意とするダグラス・ボストックの録音を探せるくらい。広大な見通しのよろしい情景が広がる爽快な旋律、出足、スロヴァキア・フィルのローカルなサウンドは少々自信なさげ、手探り状態に始まりました。例の滋味深い味わいある静謐な深呼吸旋律は、決然としたメリハリとスケールに不足します。オケのサウンド問題なのか、録音が素朴に過ぎるのか、ゆうゆうと盛り上がっていく曲想に響きはやや濁りがち。

 「春の朝(あした)は三つの小音詩(夏の夕べ/冬の夜(そりすべり)/春の朝)のひとつ、懐かしくも誠実穏健な佳曲でしょう。木管の静かな絡み合いから弦への旋律受け渡しは、前曲のようなスケールを必要とせず、これはこれで味わいと雰囲気あるもの。音質がデッド気味なのか、それともホプキンスの統率問題なのか、ちょっぴりヨレヨレな感じはあります。スロヴァキア・フィルのホルンってこんなんでしたっけ?ド・シロウトがなんやけど、ちょいと自信なさげ。作品に慣れていないのかも。

 劇付随音楽「フォルケラーデット」も初耳?・・・かと思ったら12年前に聴いたノルウェー組曲(「フォルケラーデット」の幕間音楽)と同じものなのかも。(←残念CDは処分済)筋書きは理解しておりません。快活ユーモラスな前奏曲から始まって、ここでは前2曲のような不安な足取りに非ず。「軽やかな動き」の木管のアクセントも明るく、愉しく軽快に躍動して、旋律には記憶があるから以前聴いたものと同じでしょう。「力強く快速に」は表題通りのエネルギッシュな出足、細かい音形の絡み合いにオケも徐々に興が乗っております。(Beethovenの交響曲第9番ニ短調第2楽章のリズムに似ている)やがて優雅な風情に至って、ホルン先頭に金管も大活躍な盛り上がり。「行進曲」は葬送行進曲?深刻に重い足取りは劇の流れを想像させるもの。懐かしい回想場面やらトランペット・ソロによるファンファーレも出現します。ラスト「メロドラマ」はほんの短い、デリケートな愛の場面なのでしょう。全体として今一歩のサウンドの洗練、リズムのキレを望みたいところ。

 「アパラチア」はかなり以前からのお気に入り、通常は合唱付きで演奏されると思います。シミジミとした憧憬の旋律は夢見るように美しい。この旋律はCopland辺りと共通性を感じさせて、若い頃フロリダの農園で働いていた頃に出会ったものだそう。初耳でも旧き佳き亜米利加の情景が浮かぶ名曲でしょう。演奏はこれが一番しっとりとして上出来でしょう、力強く健全に音楽は盛り上がって劇的。

(2021年4月17日)

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written by wabisuke hayashi