Debussy 4手のためのピアノ作品集
(ジャン・ピエール・アルマンゴー/オリヴィエ・シャズ(p))
Debussy
4手のためのピアノ作品集
牧神の午後への前奏曲(Ravel編)
交響的素描「海」(Debussy編)
〈海の夜明けから真昼まで/波の戯れ/風と海の対話〉
管弦楽のための映像(Andre Caplet編)
ジーグ/イベリア〈街の道と田舎の道/夜の薫り/祭りの日の朝〉/春のロンド
ジャン・ピエール・アルマンゴー/オリヴィエ・シャズ(p)
NAXOS 8573463 2013年録音
例年通りというか例年にも増して厳しい夏の暑さに負けて、なかなか音楽を心安らかに楽しめません。ようやく涼やかな音楽を探して、馴染みの名曲旋律を、4手のピアノによる見通しのよろしいサウンドに堪能できました。Jean-Pierre Armengaud(1943-仏蘭西)、Olivier Chauzu(1963-仏蘭西)お二人とも名前くらいしか知らぬピアニスト、演奏の良し悪しなどわからぬド・シロウトは聴いていてとても気持ちは爽やか。
牧神の午後への前奏曲はデリケートに、つぶやくように静謐な音楽。管弦楽に聴く、フルートの官能的な色彩とか弦のサワサワとしたざわめきはピアノに置き換えられ、なんの不足も感じません。ノーミソ中勝手にそれを補って、むしろ気怠い気分はいっそう増して受け止めました。テンポは心持ち速め、淡々として管弦楽よりさっぱりとした表現となりました。(8:49)
おそらくはDebussy一番人気な交響的素描「海」。Wikiによると初演から、聴衆に受け入れられるようになるまでけっこうな苦労と経緯があったんだそう。海の夜明けから真昼まで。フクザツな旋律の動きはサラサラと流れるようにメリハリは抑制されます。決然朗々とした日の出に非ず、気まぐれな調性は色彩を排除されて馴染みの音楽、構造を新鮮にわかりやすく聴かせます。(8:43)波の戯れは一種のスケルツォなんだそう。その諧謔性が際立つ連弾による表現は繊細、浮き立つようにわかりやすい。(8:06)風と海の対話は、ごりごりとした低弦打楽器とトランペットの絶叫が際立つところ。換骨奪胎というのか、音楽の骨組みがピアノ連弾にむしろ際立つように聴きました。切迫感や迫力、大きさに不足も感じない、怒涛の波しぶきは立派に再現されておりました。(8:35)ここまでが連弾。
管弦楽のための映像は友人Andre Caplet(1878ー1925仏蘭西)による2台ピアノ編曲もの。彼による「海」の編曲もあるそうです。各々スコットランド−スペインーフランスを題材とした色彩豊かな名曲は連弾に比べて柄が大きく、親密さより、やや散漫な印象を得ました。ジーグ(7:24)イベリア〈街の道と田舎の道(7:27)夜の薫り(7:17)祭りの日の朝(4:55)〉春のロンド(8:01) (2021年7月30日)
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