イタリア・バロック名曲集


PLANETA-AGOSTINI GEP32-2 Albinoni 合奏協奏曲イ短調 作品5の5
ヤナーチェク室内管弦楽団

合奏協奏曲ニ長調 作品7の1
ロダン/ラマガン室内管弦楽団

Torelli 合奏協奏曲ト短調 作品8の6「クリスマス」
ファン・デンベルク/オランダ室内管弦楽団

トランペットと弦楽のための四重奏ソナタ ニ長調
デュナン/コレギウム・アカデミクム・デ・ジュネーヴ/?(tr)?(or)

Tartini シンフォニア ニ長調
ロダン/ラマガン室内管弦楽団

ヴァイオリン・ソナタ ト短調「悪魔のトリル」
ホレチェク(p)/ ?(v)

PLANETA-AGOSTINI GEP32-2 個人輸入で$1.99

 最初に入っているヤナーチェク室内管の演奏と、ラストの「悪魔のトリル」(なんとヴァイオリンのクレジットがない)はスプラフォンの原盤。ほかはコンサート・ホールのLPで出ていた演奏のはず。ワタシ、数年前まで持ってました。

 お気に入りのアルビノーニから。はっきりいって、このCD中最高の曲、演奏。期待通りの哀愁たっぷりの旋律はいつも通り。この団体は初耳だけど、ヤナーチェックSQとは関係あるんでしょうか。力強い、朗々としたアンサンブルでスケールも大きい。

 チェコは「弦の国」(管の国という人も有)という評価も納得の、圧倒的な迫力で集中力あるアンサンブルの輝かしさ。録音も一番(このCD中唯一)良好。(というかマシ)

 対抗するイスラエルの団体「ラマガンCO」は、もっさりとした曇った音にガックリ。アンサンブル的には、ま、こんなもんで我慢しますが、躍動感がないなぁ。せっかくのアルビノーニがだいなし。5分間耐えましょう。
 ちなみに、この団体はほぼ(当時の)コンサートホール・レーベル専属で、若きインバルがレコード・デビュー時協演していました。(中古レコード屋さんにいくといまでもありますよ。格安で)

 さて、これもご贔屓のトレルリへ。ファン・デンベルク/オランダ室内管弦楽団の演奏が酷い。@1956年となっているのは正直でよろしいが「歴史的録音」(録音水準が)。「さっきのラマガンはまだマシだった」と懐かしがっても遅い。この曲、けっこう有名ですが、なんかやたらと「泣き」が入った違和感相当の演奏ぶり。マニアック度は最高潮。ソロ・ヴァイオリンの情緒たっぷりなヴィヴラート、時代錯誤も甚だしい派手でメカニックなチェンバロも一興。この団体は、ゴールドベルクのオランダ室内管と同じものですか?8分間忍耐。

 トランペットと弦楽のための四重奏ソナタ ニ長調も有名な曲ですね。音が割れて、デリケートさに欠ける音だけれど、前2曲13分耐えた後のせいか新鮮に聴こえます。ジュネーヴのこの団体も、ついぞ他のレーベルでは見かけませんでした。元気良く、明るくてイタリア・バロックらしい雰囲気があります。トランペットとオルガンは立派なもんだし、弦のアンサンブルはわりと厚みがある。

 タルティーニで再びラマガンCOの登場。だいぶ耳が慣れてきたせいか、意外と聴きやすい音、まとまりのあるアンサンブル。タルティーニのシンフォニアなんて、滅多に売ってません。淡々としながらも、ちょっと陰りのある旋律が意外と魅力的。でも、アンサンブルは「バロック」の躍動感には欠けて、もう少し頑張って欲しいところ。

 タルティーニといえば「悪魔のトリル」。小学生向け「音楽の逸話」には必ず登場する高名な曲。わざわざフィルアップに持ってきた音源でしょうが、ヴァイオリニストくらい掲載して下さいよ。演奏そのものは手堅くて、やや艶消しな音色も悪くなく、しっかりとしたもの。「悪魔が来たりて・・・」なんて話しはどうでもいいから、ちゃんとした名曲として拝聴したいもの。

 LPのときは、最初と最後の曲がなくて4曲のみの収録だったような記憶もあります。当時はもっと楽しんだはずで、カタログでこのCDを見つけたときには喜んだんですが、実際聴くとなんかガックリでした。不思議だなぁ。


 え〜、このレーベル、バルセロナの住所となっております。バークシャーのカタログにはコンサートホールの音源がいくつか並んでおりました。お勧めしません。音悪すぎ。演奏、たいしたことなし。アルビノーニだったら、エラートからシモーネの素晴らしい演奏が格安で出ている。(2000年8月6日更新)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi