To CLASSIC ちょろ聴き

CLASSIC ちょろ聴き(13)


History 204588-308 CD1-2 「Soli Deo Gloria J.S.Bach 」〜20枚組4,580円中2枚分 ブランデンブルク協奏曲全曲 BWV1046-1048(1949年録音)
ライナー/アンサンブル・ド・ソロイスツ

同じく「Soli Deo Gloria J.S.Bach 」20枚組より。これは予想外に音の条件も良いし、ライナーのスタイルが信じられないくらい現代的で、すっきり引き締まって素晴らしい。かなり、意識的な強弱記号を付けており、それがかえって新鮮。有名なる第5番のチェンバロ・ソロはメカニカルな音色が時代を感じさせるが、さらに憎いくらいの表情の変化があって、この曲にして「ヴィルティオーゾ!」を堪能させてくれる。こりゃ、楽しめます!(2002年10月20日)

History 204581-308/204582-308 「Soli Deo Gloria J.S.Bach 」〜20枚組4,580円中3枚分 平均率クラヴィア曲集第1巻・第2巻
エドウィン・フィッシャー(1933-36年録音)

「Soli Deo Gloria J.S.Bach 」20枚組より。昔から定評ある音源(EMI)であり、LP時代も所有していたもの。「今更、わざわざ音の状態のヨロシからぬ昔のを聴かんでも」〜その通りで、集中するのに少々手間が掛かるかも。緻密に細部を彫琢したようにも、甘き浪漫の香り充満するような演奏にも聞こえない。ただ、淡々と、むしろ素っ気なく思えるが、やがて熱気を孕んだ「ノリ」が見えてくる思い。全曲通して、久々手応えのある音楽を聴いた、という感想。オーディオは選ぶかも知れない。 (2002年10月20日)

KASER SISKS  KC-0016   @166で購入(DGの海賊盤) Beethoven 交響曲第3番 変ホ長調 作品55「英雄」
カラヤン/ベルリン・フィルハーモニー (1962年録音)

先日「売れ残り『英雄』CD」で話題にしたCD。ワタシは「カラヤン無条件礼賛派」じゃないし、この1960年代の全集も是々非々。(ゲロ出そうなのも有)でもね、この「英雄」は素晴らしい。フルトヴェングラーやトスカニーニに比べると、カタのチカラが抜けて、颯爽とバランスがヨロしい。馬力のあるクルマで、見通し良い余裕の高速走行のようでもあり、なによりベルリン・フィルが美しい。そう、これは美しい「英雄」か。全面否定すべきではない。(2002年10月19日)

EMI  TOEC-3296/97  2枚組 910円 Bach 管弦楽組曲全4曲〜クレンペラー/ニュー・フィルハーモニア/モリス(fl)(1969年録音)
ブランデンブルク協奏曲も同時購入。これね、欲しかったんですよ。表現的にまったく厳格、堂々として弾まない重厚なるリズム。不自由なる旋律の節回し。でも、自信に満ち溢れ、ものすごい説得力有。最近の古楽器系若手演奏とは、一線を画すというか、別の作品に聴こえるのが凄い。けっして走らない。細部を忽せにしない。オーケストラがねぇ、明るくて歯切れが良くて、カルめでね、なぜかこの解釈と妙に相性が合うんですよ。上手い。聴けば聴くほど、ゾクゾクするような快感があって、昔風の映画で「王様の豪華なる戴冠式」を見るような、得難い経験。有名なる「アリア」の恐るべき陶酔。(2002年10月19日)

ERATO 3984-25602-2  2枚組 1,000円 Weber序曲集/クラリネット・ファゴット・ホルン協奏曲〜グシュルバウアー/バンベルク響/ランスロ(c)オンニュ(fg)バルボトゥ(hr)(1969年録音)
独墺系のなかではWeberは出色に大好き。なんか素朴な村祭りの熱気が感じられて。バンベルク響でしょ?いかにも、って期待して、けっして悪い演奏じゃないが、フツウかな。特別に「!」ってな演奏ではない。オーケストラが少々薄く感じるのは録音のせいか。もっと躍動感を!往年のフランス系名手ソロは、専属の関係なんだろうけど、音色が華やかでカル過ぎか。う〜む。期待が大きすぎたか?(2002年10月19日)

NAXOS 8.550142 833円 HUNGARIAN FESTIVAL〜アンタール/ハンガリー国立管弦楽団(1988年録音)
Kodaly「ハーリ・ヤーノシュ」、Liszt「ハンガリー狂詩曲第1/2/6番」など入っていて、けっこう楽しいし、演奏も録音も意外と快調。じつは話しの流れで「やるよ、このCD」ということで後には引けなくて、10年ぶりに聴いたもの。真面目過ぎて、ややオカタい感じはあるが、基本品揃えとして文句ない出来でしょ。Hubayの「エレ・カティ」が曲的に珍しいし、ヴァイオリン・ソロが魅力的な奔放さ有。後半「チャールダッシュ」も興奮。いや、もっと崩しても良いかな?Berliozの「ラコッツィ行進曲」も収録。(2002年10月19日)

SONY 503317 2 9枚組4,990円にて購入したウチの一枚 Stravinsky バレエ音楽「火の鳥」(1910年全曲盤)〜ストラヴィンスキー/コロムビア交響楽団(1961年録音)
とうとう出た自作自演CBS全集(格安で)しかも紙パックスリム・ケース入り。少々のダブリはしかたがないでしょ。(エールディスクGRN-578で既所有)但し、録音データがまったく不備。これはロス側のコロムビア響です。(この前年はニューヨーク側)個人的には組曲、全曲問わずいままで聴いた「火の鳥」は外れがなくて、これもすばらしく鮮やか。オーケストラは滅茶苦茶上手くて、録音も目が覚めるほど。意外と淡々と、飾りのない演奏だけれど、手応え充分でメルヘンに充ちた名曲をたっぷり堪能。華やかな宝石箱をひっくり返したよう。(2002年10月19日)

Tre'sor2002 FTS0108-3 3枚組1,990円にて購入 R.Strauss 交響詩「ツァラトゥストラはかく語りき」作品30〜シューリヒト/シュトゥットガルト南ドイツ放送交響楽団(1953年12月4日録音)
有名な曲だし、何度もクサるほど聴いているが、残念ながらかつて感動した試しがない。オーディオ映えする曲だけれどら、このモノラル録音でなんやら目覚めた感じ。フレージングの威圧感がないのはいつも通りだけれど、旋律がテンション高く歌うのは並の水準じゃない。細部までスッキリ明快。弦の細かい旋律の絡み合いもはっきり効果的で、ともすれば大仰なる外面のみで騙られることの多いこの曲に、新機軸登場!って、大昔の録音だけれど。(2002年10月8日)


【♪ KechiKechi Classics ♪】

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written by wabisuke hayashi