Bruckner 交響曲第5番 変ロ長調
(朝比奈隆/大阪フィル/1978年ライヴ)
Bruckner
朝比奈隆/大阪フィル
1978年1月25日大阪フェスティバル・ホール・ライヴ
Disques Jean-Jean JJGD-2001ー17
偉大なる朝比奈隆(1908ー2001)は当時70歳の若さ、これはDisques Jean-Jean全集より。響きはちょっぴりデッドに感じて、オーケストラはあまり器用に非ず、アンサンブルはかなり粗い一発録り。それは覚悟の上の拝聴でした。
2019年来の再聴。当時のコメントは
Bruckner中もっともお気に入り”巨大なる”第5番にふさわしい”巨大な演奏”。CD一枚に収まるやや速めのテンポ、逡巡ない豪快な一筆書き風、ゴリゴリと粗野に力強く、要らぬ飾りはほとんどないイン・テンポ
拍手(0:39)第1楽章「Adagio - Allegro」奈落の底へ階段を一歩一歩降りていくようなピチカートから始まって、心持ち速めのテンポ、揺れも最低限だけど効果的に表情豊か。金管の無骨なミスタッチ、木管の素っ気ないな音色、ミスタッチなんのその!悠々として慌てぬしっかり地に足踏ん張って重心低く、怒涛の力強い歩み、素朴なノリとパワーに圧倒されました。(21:41)
第2楽章「Adagio」ここも低弦ピチカートから始まる緩徐楽章。コラール風副主題の弦がとても美しい。イン・テンポと書いたけれど、たしかに頻繁な恣意的な動きではないけれど、弦の歩みはやや速めの急ぎ足に流れを感じさせるもの。そして無骨な金管が高揚する・・・独墺系オーケストラの渋い響きを期待すれば、それはあまりに素朴だけど、誠実実直な歩みに胸を打たれる不思議な神々しさでした。(17:30)
第3楽章「Scherzo: Molto vivace」ここはBrucknerのキモであるスケルツォ。切迫する金管による第1主題と、優雅な弦による第2主題(レントラーだけど無骨)の対比が聴きもの。縦線ピタリと合わせた独墺系優秀なアンサンブルをイメージすれば、申し訳ないけど金管はかなりヘロヘロ。フツウはこんな録音売りに出さんですよ。それを凌駕する誠実かつ粗野に荒削りなパワーに魅せられました。(14:47)
第4楽章「 Finale: Adagio - Allegro moderato」第1楽章冒頭の低弦ピチカート再現から始まって、やがて決然たる歩みの主部へ、前楽章の素材も使って軽妙な対応もあります。オーケストラには疲れが見えて、キレは足らんし、アンサンブルはかなり乱れ、金管ミスタッチも頻発。それでも最後、渾身の力を振り絞って、金管コラールからテンポの揺れは説得力充分、ダメ押しのタメに強烈なティンパニのアクセント、クライマックスに持ち込む感動的な締め括りが待っておりました。(24:54/拍手なし)
(2025年3月8日)
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