Bruckner 交響曲第4番 変ホ長調
(オイゲン・ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン)
Bruckner
交響曲第4番 変ホ長調(ノヴァーク版)
オイゲン・ヨッフム/シュターツカペレ・ドレスデン
EMI 5 73905 2/73909 2 7 1975年録音
Brucknerは大好きで、もちろん聴く機会も多いけれど、ここ数年急激に嗜好が変わりつつあります。このサイト開設当初(20世紀ラスト辺り)ちょうどティントナーとか、スクロヴァチェフスキが話題になっていたし、レーグナーもマイ・ブームでした。今更、ながらの言い訳は醜いけれど、自らの文書は読むに耐えない(全部消したいくらい)〜なにより、感じ方が変化してしまって素直に感動できなかったりすることもしばしば。
ま、安かったらCDをバリバリ買っていて、数年ぶりに聴いてみたら全然印象が変わっている! というのも一興でしょう。ちょっと儲けちゃった、みたいな。かつてヨッフムの演奏を「無為の為」なんつうエエ加減な評価していたけど、そうじゃないね。「有為(うい)の為」〜この人、そうとう煽って、走ったりしております。かつて第7番の演奏を〜余計な「貫禄」がない〜もっと正直に、謙虚に「ここはこう叫びたい」と思ったら、存分に金管を絶叫させ〜ていると、そう評しました。それはそんな感じ。
心配の種〜EMIの録音水準はまぁまぁだし、シュターツカペレ・ドレスデンの響きって、透明で安物じゃない艶もちゃんとありました。でも、第1楽章と第3楽章は、テンポ動かし過ぎ、煽りすぎ、走り過ぎじゃないですか。アンサンブルはしっかりしているし、オーケストラのサウンドは奥行きタップリでほんま魅力的・・・これぞBrucknerに相応しいオーケストラに間違いはない、緩みなんて、どこにもないけれど。
最終楽章はまとめにくい楽章だし、ここでは「大見得」もバシっと決まって、金管のラッシュはもの凄い。どんなに絶叫しても響きは濁らないし。これはもう嗜好の問題なので、なんとも苦しいところだけれど、もっと”なにもしない”系演奏がいいな。いじり過ぎ、リキみ過ぎ(ヴェテランだから空回りしないけど)に聞こえて「う〜む」状態。ごめんなさい。しばらく聴いていないけど、フルトヴェングラーのBrucknerもそう感じるかも知れません。
凡百な演奏じゃなくて、全65分けっこう集中できて、あっという間に終わります。数々の「!」な場面があって(とくに第2楽章)嗚呼、もっと若かったら、この情熱的な演奏をもっと、もっと楽しめるのかな?とも。誰々の演奏と比べて・・・ということじゃないんだけど、嗜好の変化だと思います。嫌いじゃありませんが。ベルナルト・ハイティンクとか、この曲だったらルドルフ・ケンペ/ミュンヘン・フィル(1975/76年)とか、そういった穏健派を好んでおります、最近。ごめんなさい。ああ、そういえば(あまり世評のよろしくない)エリアフ・インバル全集の影響もあるかも知れない。
Bruckner道場に一から入門しなおします。(2004年1月16日)