Brahms のピアノ作品集(マルカロフ/コレヴァール)![]() ![]() Brahms
ピアノ小品集 作品76
コレヴァール(p)
ヘンデルの主題による変奏曲
マルカロフ(p) だんだん年齢を重ねて行くに従って、Brahms の寂しさが理解できる「老人力」が付いてくる・・・・。ピアノ協奏曲は、規模が大きすぎてやや聴き疲れするけれど、ピアノ曲は晩秋の深まりゆく夕暮れの中で聴くと、もう、最高! もう10年以上前にFMで聴いたルービンシュタンに痺れて、大枚2,000円も出して買ったCD(RCABVCC5085)は愛聴盤です。その暖かさ、深さ、哀しさ。 ケンプのCDでも打ちのめされました。(DG4370374-2)Brahms は人生の夕暮れを迎えた老人に限る・・・・・と確信しましたが、曲そのものも好きになりましたので、安く見かけたら買うようにしています。NAXOSのビレットによる録音も何曲か買いました。枯れていないBrahms も悪くないものです。 たまたま、今年(1998年)になって2種類のCDを格安で手に入れましたが、レーベルも演奏者の名前も初耳。まだ新しいデジタル録音。写真を見る限りそんなに年輩ではない様子。(コレヴァールの経歴は記載なく不詳) コレヴァールのほうは、ボールドウィンの素朴な音色がBrahms に似合っている。静かで内省的な演奏の雰囲気はあって、落ちついた気持ちで聴ける演奏。しっかりとした技巧だし、淡々としてあまり飾り気がないのも好感が持てます。音の状態も、たいへん落ち着いていていい感じ。 ただ、なんかとても暗い。2枚組でしょ(で、この価格はありがたいけれど)続けて聴いていると、どの曲も同じような感じで、単調さが気になります。最後まで聴き通すのは、とてもつらい。Brahms って、寂しさややさしさ、苦渋と安らぎ、ささやかな喜び・・・・と、曲ごとにいろいろ感じさせて欲しいもの。Brahms の表現には、一種特別な才能や経験が必要なのでしょうか。
マルカロフのほうは、もう少し奔放さがあって、コレヴァールより「色気」みたいなものは感じさせる演奏。ピアノはスタインウェイ。1953年バクー生まれでネイガウス門下。より豪快さを感じて、線は太い。いかにも切れる技巧で、音色はやや明るめ。ヘンデル変奏曲には曲的に似合った音色で、聴き応えあり。 作品116の幻想曲はコレヴァールとダブっていて、こちらの演奏は細やかなニュアンスや配慮が行き届いて、印象はずいぶん異なります。「間」も多用されて効果的。曲が曲だけにへんな表現ですが、華やか、なんです。メリハリもあります。コレヴァールの内省的で淡々とした演奏を選ぶか、マルカロフの細かくも繊細な「揺れ」を選ぶかは好みでしょう。 どちらとも、Brahms の楽しさを存分に味あわせてくれました。でも、ルービンシュタインやケンプに見られる「深さ」「奥行き」には少々欠ける。まだ若いのでしょう。線が細いというのではありませんが、行間から立ち上る香り、みたいなものは期待できません。 評価の定まった巨匠の音楽ばかり聴くのもツマらない。無名でも、新しい演奏家はできるだけ聴き続けていこうと思っていますが、やはり、既に物故した往年の名手の音楽には味わいがあった、と痛感させられたCDでした。
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