Brahms 交響曲第2番ニ長調
(ダニエル・バレンボイム/シュターツカペレ・ベルリン)
Brahms
交響曲第2番ニ長調
ダニエル・バレンボイム/シュターツカペレ・ベルリン
DG 4835251 2017年録音
Daniel Barenboim(1942ー亜爾然丁→以色列)もご高齢だし、若い頃からピアニストとして指揮者として働き詰め、最近は病も得て演奏会キャンセルの話しも伺っております。数多い録音をいくつか聴いて悪くないけど、どうも決め手に欠ける、唯一無二の個性に感銘少ないと感じるのは、極東亜細亜に在住する場末の音楽ファン(=ワシ)の勝手な言い種でしょう。これはベルリンのPierre Boulez Saalにて録音、これは円形の室内音楽ホールとのこと。各パートがかっちり位置関係を際立たせるより、全体サウンドの融合を主眼とするように感じます。オーケストラは木質の響き、それが作品風情に似合っていると感じました。
以前ほどではないけれど、Brahmsの交響曲は少々苦手。いかにも勇壮に立派、カッコ付け過ぎと感じてしまう第1番ハ短調、悠々たる古風な詠嘆がやや重苦しく鬱陶しい第4番ホ短調、4曲どれも名曲に間違いないけれど、のびのびと牧歌的な第2番ニ長調、あまりに甘美な第3楽章「Poco allegretto」がステキな第3番ヘ長調を比較的好んで聴いております。これは1877年作曲者44歳の作品。
諄々と穏健なニ長調交響曲は古典的二管編成+ティンパニ。第1楽章「Allegro non troppo」からやや遅めのテンポにマイルドに素朴質実な響きが際立って、ムリのないオーソドックスな表現。シンプルなD−C#−D音型が無限に広がって成長するBrahmsのマジック。(16:28)
第2楽章「Adagio non troppo - L'istesso tempo,ma grazioso」は諄々と落ち着いた風情、やがて情感が粛々と高揚する緩徐楽章も悠々として上出来。(10:49)
第3楽章「Allegretto grazioso-」は飄々とした風情。これもスケルツォですか?木管の絡み合い歌い交わしは絶品の儚い美しさ。そして含羞を含んだテンポ・アップ部分もデリケート。(6:03)
第4楽章「Allegro con spirito」第1楽章冒頭のシンプルな音型が発展した旋律は溌剌と喜び爆発して疾走、無用に重すぎぬ力まぬ表現を堪能いたしました。(10:17拍手なし)
Brahmsは堂々たる重厚長大表現が嗜好の方も多いことでしょう。これは適度な落ち着きとスケールを感じさせて、オーケストラの質感を活かして力みのないバランス演奏。自分の嗜好としてはパーヴォ・ベルグルントとの出会い以来、小編成にスッキリ、さっぱりとした表現が好みとなりました。 (2025年4月5日)
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