Brahms 交響曲第2番ニ長調 作品73
(オトマール・スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン)
Brahms
交響曲第2番ニ長調 作品73
オトマール・スウィトナー/シュターツカペレ・ベルリン
Berlin Classics BC2137-2 1984年〜86年録音
【♪ KechiKechi Classics ♪】開設初期に、全集に言及しておりました。購入したのは(楽しかった)博多時代だから、もう十数年が経過し、やがて「BBは苦手やで」なんて、我が儘言いたい放題リスナーに至ったのは華麗なる加齢のせいか。ヘタすると十年ぶりくらいに聴いたんじゃないか、このCD。サイト更新に四苦八苦するようになったのはここ数年だけれど、”仕事が忙しい”(真っ赤なウソ)とか”体調が悪い”(これは時にほんま)とか言い訳も醜く、じつは音楽に素直な感動を受けなくなりつつある・・・感性と集中力が鈍化しているとの自覚あります。もっと謙虚に、真っ直ぐに音楽に向き合わなくっちゃ。
このCD一枚で交響曲のみ、46:36の収録となります。生来のビンボー症、若い頃はいっそうケチだったので、あと30分余白残っとるやないか!とハラ立たしく思ったものだけれど、現在ならコラえ症がなくなって充分満足。懐かしいオトマール・スウィトナーは第1楽章提示部を繰り返して下さって(20分)、穏健な安らぎ旋律をたっぷり、ゆったりと聴かせて下さいました。
エエ音やなぁ、このオーケストラ。(残響豊かな録音も極上)ドレスデンも好きだけど、もっと暖質系で柔らかく、木の質感が漂ってローカル、ほとんどジミ。ベルリン・フィルはもっと艶々で都会的ですよ。刺激的な爆発、叫び、エグいムリムリな表現なんてどこにもなし。粛々と抑制、恐るべき安寧と静謐充ち充ちて、ひたひたと感銘が広がります。金管がほとんど聞こえない?(ホルン別にして)弦主体の練り上げられたサウンドを堪能いたしました。第1楽章「アレグロ」、第2楽章とその印象は崩れない。見え透いた薄っぺらい詠嘆ではない、ほとんど飾らない、囁くような世界。(音が小さいわけではない)
第3楽章「アレグレット」はスケルツォ楽章なんだけど、遠慮がちに、恥ずかしげに喜びのステップを踏むような床しさ。木管は夢見るように美しい。終楽章はやや速めのテンポで、きりりとリズムが引き締まります。勇壮で雄弁、それでもヒステリックな叫びの欠片もない。勢いもノリも迫力も充分だけれど、どこか静かに微笑んでいるような風情漂います。テンポは微妙に揺れ、時に木管は(テンポを落として)優しく歌い、弦は切迫を強めました。最終盤の強烈アッチェランドは、文句なしの大団円也。ちょっとやりすぎでっせ。
日本ではクラシック音楽=(ほとんど)独墺系だけれど、まさにその王道を行くべき、渋い世界堪能いたしました。苦手といいつつ、あれこれ聴いて幾十年、これがヴェリ・ベストかも。 (2009年6月26日)
【♪ KechiKechi Classics ♪】 ●愉しく、とことん味わって音楽を●
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