Borodin 交響曲第1番 変ホ長調/第2番ロ短調
(アンドルー・デイヴィス/トロント交響楽団)


CBS LP M 34825 Borodin

交響曲第1番 変ホ長調
交響曲第2番ロ短調

アンドルー・デイヴィス/トロント交響楽団)

CBS MasterWork LP M 34825 1976年録音

 Andrew Davis(1944-2024英国)がトロント交響楽団の音楽監督をカレル・アンチェルから引き継いだのは1975-1988年、その頃の代表的録音でしょう。英国の指揮者が加奈陀のオーケストラを振って露西亜のオリエンタルな交響曲、なんてちょっと意外な組み合わせは成功しております。華やかに軽快なサウンド、音質はやや粗いけれどまずまず、アンサンブルもバランスよく整っておりました。ちょっと敬遠気味だった作品の価値をちょっと見直すほどの立派な演奏でした。

 交響曲第1番 変ホ長調は知名度的には落ちるけれど、古典的二管編成+ティンパニによる作品。WikiによるとSchumannの影響を受けている作品とのこと。
 第1楽章「dagio - Allegro - Andantino」神妙な序奏から憧憬の気持ちが盛り上がって、主部はティンパニのリズムが印象的に躍動する明るい風情に疾走します。著名な第2番ほどに泥臭さは感じさせない。ラスト、リズムを変えて畳み込んでから静かに、優しく終わります。(13:19)
 第2楽章「Scherzo: Prestissimo - Trio: Allegro」ちょっぴり泥臭さと懐かしさを湛えた軽妙なスケルツォ、トリオの優雅な歌との対比も効果的。(6:56)
 第3楽章「Andante」うっすらとオリエンタルに幻想的風情がステキな緩徐楽章。チェロ、オーボエ、イングリッシュホルンがシミジミ歌って、やがてホルンの強奏を契機にに情感が高まります。(7:02)
 第4楽章「Allegro molto vivo」は符点のリズムが力強い躍動継続、金管は華やかに爆発して納得のフィナーレがやってきました。(7:49)これは演奏機会も録音も少ないのが残念な名曲でした。

 交響曲第2番ロ短調は1877年の初演に失敗し、改定後1879年の再演では大成功、仏蘭西では大ブームになったそう。三管編成+5種の打楽器+ハープ迄加わって、規模は拡大しております。
 第1楽章「Allegro」大仰な主題がどうも好きになれなくて敬遠していたところ。アンドルー・デイヴィスは逡巡なく、思いっきり重厚に旋律を引きずって、なかなかのパワフルな説得力に初めて作品に納得できました。(7:06)
 第2楽章「Scherzo: Prestissimo. Trio: Allegretto」木管や金管の細かい音型をベースに軽妙なテイストのスケルツォ、ここは速めのテンポに躍動して勢いも感じさせて思っきり楽しいところ。トロント交響楽団技量も伺えます。(4:56)
 第3楽章「Andante」オーボエとハープ、そしてホルンがゆったりと遠く歌って懐かしさ極まる、絶品の緩徐楽章。この辺りBorodinのメロディ・メーカーの面目躍如。(8:07)
 第4楽章「Finale: Allegro」ワクワクするような、まるで、めでたいオペラのラストのような高揚を感じさせる始まり。オリエンタルな舞曲風の懐かしい旋律が続いて作品を賑やかに締め括りました。(6:21)

(2026年1月31日)

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written by wabisuke hayashi