Boccherini フルート・ソナタ集(ストークス(fl)/カープ(cem))


フルート・ソナタ Boccherini

フルート・ソナタ 作品5 1〜6

ストークス(fl)/カープ(cem)

ORION 7821-2 1973年録音 $3.99にて購入

 息子は受験生ですが、ぜんぜん勉強しない。親(爺婆も)が悪いのでしょうが、いまの子供にはなんでも揃っていて、ゲーム、テレビ、ビデオ、CD、コンポ、コミック、パソコン(小学生から3台目だもんな)、そりゃ忙しいでしょ。(携帯電話は親の趣味で存在しない)小さい頃は「呼び出し電話・白黒テレビ」世代だった親にとっては夢のよう。

 子どもは親の本音をちゃんと見抜いていて、受験勉強なんてほんとうに価値はない。→2000年春、息子は無事学費の安い高校に入学してくれました。いまや携帯電話も所有。

 なんでこんな書き出しになったかというと「音楽史」のお勉強の話し。いえ、なにも専門の音楽教育のことを云ってるんじゃないんですよ。自分に興味のない「歴史のお勉強」なんか覚えるはずないじゃないですか。好きだからこそ自分で調べる。「あ、この曲誰それに似ている」と思うと調べたくなって、その関連の作曲家のCDをまた探してきたり・・・、そういう知識って身に付きます。

 Boccheriniは、ワタシ、子どもの頃からチェロ協奏曲で知っていました。

 ハイドンが1732年生まれ、モーツァルトが1755年でしょ。ボッケさんが1743年で同時代なんですよね。イタリア出身のせいか、ずいぶん感じは違っていて、このフルート・ソナタはエマヌエル・バッハに似ている。(1714年生)世代的に見れば保守的でしょうか。シンフォニアとか、ギターの入った曲とか、けっこう好きです。(あちこちの本をひっくり返して調べていると、楽しいもの。これが趣味でんな)

 珍しい曲らしくて、手持ちのカタログ数冊見てもほかのCDの存在は確認できませんでした。屈託がなくて、シンプルで、明るく元気、ときどきちょっと哀愁ある旋律が顔を出したり(第2番ハ長調ソナタのラルゴ、など)・・・・で楽しいもの。

 チェンバロとフルートは対等な活躍ぶりで、もしかしたらチェンバロの方が難しい技巧を要求されているかもしれません。変化には少々乏しくて(もしかしてストークスの濃厚な音色がワンパターン?)、ぜんぶ聴き通すより、時々どこかの1曲を取り出すほうが飽きません。どれも10分弱。(こうしてみるとMozart のフルート四重奏曲は多彩で、ほんとうの天才の技だったと実感)

 1973年の録音で、完全なるロマンティック・スタイルの演奏。ストークスのフルートはなかなか雄弁で、ふくよかで朗々とした音色を満喫。こんな名手が知られていない・・・・と思って解説を見ていると(これも必要に迫られると理解できる英語の水準か)「スパイ大作戦」のテーマを吹いていた人で、その類のテレビ番組の音楽では活躍している人なんですね。

 カープのチェンバロもかなり「鳴る」楽器で、やや時代錯誤で刺激的。よけいな重さはなくて軽快なリズム感有。音色やタッチの変化はいろいろと楽しめます。鮮明な録音なのですが、ちょっと聴き疲れします。ORIONって由緒正しいレーベルですけど、左にフルート、右にチェンバロが定位していて、どうも不自然で落ち着かない。

 それと(c)1995 HNH International Ltd.となっていて、かのNAXOSの親会社が買い取ったのかもしれません。そういえば、ジャケットの裏面とか、CDのレーベル面の感じがNAXOSに似ています。(1999年)


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written by wabisuke hayashi